イプシロンロケット3号機、打ち上げに成功

2018年1月20日 06:39

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ロケットの形状(イプシロンロケット) 。(画像:JAXA発表資料より)

ロケットの形状(イプシロンロケット) 。(画像:JAXA発表資料より)[写真拡大]

 2018年1月18日、6時6分11秒(日本標準時)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)はかねてより計画されていたイプシロンロケット3号機の打ち上げに成功した。イプシロンロケット3号機には、高性能小型レーダ衛星(ASNARO-2)が搭載されていたが、ロケットは計画通りに飛び、打ち上げの約52分35秒後、衛星の分離を無事完了した。

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 イプシロンロケットは、JAXAとIHIエアロスペースが共同で開発している、小型人工衛星打ち上げ用固体燃料ロケットである。基本的には使い捨てで、ローンチ・ヴィークルとも呼ばれる(英語呼称はEpsilon Launch Vehicleである)。

 計画は、どこまで話を遡るかにもよるが、まずはM-Vと呼ばれる古いロケット(2006年廃止)を引き継ぐものとして始まった。本格的な開発開始は2010年であった。第1号機は、惑星分光観測衛星「ひさき」を搭載して2013年9月14日に打ち上げられ、無事にミッションを成功させた。

 2号機は「強化型イプシロンロケット」と銘打たれ、2016年に打ち上げられた。

 基本的には、イプシロンはなるべく低コストでの人口衛星運用を目的としたもので、そのためのコスト削減などが主要な研究開発上のテーマとなっている。

 さらにいえば、2020年度に試験機打ち上げを予定しているH3ロケットとモーターケース、推進薬、燃焼パターンなどを同じにすることによっても、シナジー(相乗効果)によるコストダウンなどがはかられている。

 なお、明確に決定された事項ではないが、「月面探査への投入」もあるいは可能なのではないかという指摘はあり、幾度か計画が練られたことがある。もっともそれは現在は計画から外れた状態である。

 いずれにせよ、ともあれ打ち上げ成功はめでたいことなので、ここで祝意を表したいと思う。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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