SUVでも過信は禁物 冠水路を走れる車種は限られている

2020年8月14日 07:24

トヨタのランドクルーザー。(c) 123rf

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 毎年、7月後半から9月初旬にかけてゲリラ豪雨が日本各地を襲い、道路が冠水することも珍しくない。道路が冠水するとクルマの乗り入れはできないが、SUVを所有する人の中には、そのまま突入して身動きが取れなくなる人もいる。これは、日本で販売されているSUVの多くが、本格的な悪路を走行することを想定していないからだ。

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 クルマが走るためには、ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも電気が必要だ。また、エンジンが動くためには空気も必要となる。空気取り入れ口から水が浸入すればエンジンは故障し、電装系が水に浸かると当然止まる。

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 このことから、冠水路を走行することはクルマにとって非常に危険なわけだが、最近は車高の高いSUVが多くなり、多少の水深なら大丈夫と過信して冠水路を走行し、身動きが取れなくなる事例が多く見られる。

 車高が高いSUVなのになぜ、冠水路を走行すると止まってしまうのかというと、それはオルタネーターと呼ばれる発電機などの電気コンポーネントと、空気をエンジンに取り入れるエアクリーナーの取り付け位置に問題があるからだ。

 実は、本格的な悪路走行を視野に入れて開発されたSUVは、エンジンルーム内の電装系や吸気系の取り付けが高い場所に位置している。こうすることで渡河性能を確保できるわけだが、現在国内で販売されるSUVのほとんどは、シティ派が多いことから設計が異なる。

 クルマが冠水した道路を走行すると、前方には大きな波が立ち、車両後方より前方の水位が高くなる。この状態で走行すると、ラジエーターグリルなどからエンジンルームに大量の水が入り込むこととなる。エンジンルーム内の低い位置にエアクリーナーやオルタネーターを搭載していれば、すぐに浸水してクルマは動けなくなるというわけだ。

 SUVには、ある程度水深がある場所を走行できる車種も存在する。例えば、レンジローバースポーツは850mm、トヨタのランドクルーザーやハイラックストラックは700mmの水深を走行できる。この他にも世界を見れば700mmから800mmといった水深を走行できるクルマが数車種存在するが、日本国内では販売されていない。国内で本格SUVとして販売されているジープレネゲードは480mm、ボルボXC40は400mmの水深までしか走行できない。

 このように、車高が高いSUVでも水深が400mmを超えると走行できない車種が日本国内ではほとんどであり、ゲリラ豪雨や台風で冠水路に出くわしても、SUVなら走行できると過信するのは非常に危険ということである。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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