日米、NY州で半導体工場計画に合意 GFが運営、事業規模は最大210億ドルに拡大も

2026年10月16日 11:46

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記事提供元:Tech Times

日米両政府は米国時間の2026年10月14日、「戦略的投資イニシアティブ」に基づき、ニューヨーク州の半導体製造プロジェクトを進めることで一致した。第1段階の事業規模は約100億ドル(約1兆5800億円、1ドル=158円換算)で、将来的には約210億ドル(約3兆3180億円)まで拡大する可能性がある。米半導体受託製造大手GlobalFoundries(グローバルファウンドリーズ、GF)が技術を提供し、工場を運営する。

■まず1棟目を建設、2棟目は追加投資を想定

GFによると、約100億ドルを投じる第1段階では、同社のマルタ拠点に直径300mmのウエハーを扱う工場を建設する。1棟目は2026年内に着工し、2029年の稼働開始を見込む。同じ拠点で想定する2棟目には、さらに約100億ドルを充てる計画だ。

2棟目の建設には今後の承認が必要となる。GFの計画では、全面稼働時の生産能力は各工場で年間約90万枚、2棟が完成した場合の合計で年間約180万枚となる。GFは計画全体について、建設や関連産業で約2万7000人、製造部門で1000人超の雇用につながると見込んでいる。

GFの投資家向け資料によると、工場の建物や装置は日米両政府が所有する特別目的事業体の資産とし、GFが建設と操業を担う。GFは技術提供料や建設・操業管理料を受け取り、事業の利益指標に応じた分配にも参加する。ティム・ブリーンCEOは、同社の技術と大規模工場の運営経験が選定につながったとの考えを示した。

マルタ拠点には既存のFab 8がある。GFは1棟目の建設予定地について、必要な許認可を得て着工できる状態にあり、既存のインフラも活用すると説明している。2棟が加わった場合、GFはマルタ拠点を米国最大級の半導体製造キャンパスと位置付けている。

■日米の投資枠組みと日本企業の関わり

今回の計画は、日本が5500億ドル規模の対米投融資を進める日米の枠組みに属する。日本の外務省は、この枠組みで初めての半導体事業だと説明した。対象となるのは自動車、産業機械、スマートフォン、AIデータセンターなどで使われる成熟ノードの半導体である。

外務省によると、東京エレクトロンとSCREENホールディングスは製造装置、東京応化工業は部素材の供給に関心を示している。フジキンと草川精機も、装置や部素材などの供給に関心を示した。ルネサス エレクトロニクスは製品の購入に関心を示している。

GFの発表では、ルネサスの柴田英利CEOはニューヨーク州の新たな生産能力を自社の製造体制の延長として計画に織り込むと述べた。東京エレクトロンの河合利樹CEOも、同社が長年GFの各国拠点を支えてきたことに触れ、米国内の生産能力拡大に協力する意向を示した。両社の関わりは、日本の装置・部素材企業や半導体メーカーにも事業機会が生じるという、今回の計画の一面を示している。

米半導体産業協会(SIA)は、日米が工場を共同所有し、GFが運営する計画を歓迎した。協会は、米国内の製造能力と供給網を強化する取り組みだと評価している。事業の進め方は、日米の政府間協議に加え、2棟目の承認や需要の動向にも左右される。

■米政府の出資とCHIPS法資金の再配分

GFは同日、米商務省との別の合意により、同省がGF株式の約4%に相当する持ち分を取得すると発表した。ロイター通信によると、ブリーンCEOは、これによって米政府の持ち分が約3%から約7%になると説明した。政府は工場の共同所有者となる一方、GFにも出資することになる。

GFは米商務省と、CHIPS・科学法に基づく既存の支援契約を変更し、9億5500万ドル(約1509億円)を再配分することでも合意した。資金はニューヨーク州マルタとバーモント州バーリントンにおけるシリコンフォトニクス、シリコンゲルマニウム、先端パッケージングへの投資を加速するために使う。米商務省は2024年、両州の事業向けに最大15億ドルの直接支援を決定していた。

シリコンフォトニクスは、光を使ってデータを伝える半導体技術だ。GFは自社の「SCALE」について、毎秒400ギガビットの性能と、従来世代の実装方式に比べたエネルギー効率5倍を目標に掲げる。同社はシリコンフォトニクス事業の売上高について、2028年末時点で年換算10億ドル超、2030年に約20億ドルを目指すとしている。

■顧客企業が示した需要とマルタ拠点の展開

GFの発表には、ルネサスに加え、Apple、ゼネラルモーターズ(GM)、Cirrus Logicの幹部のコメントが掲載された。Appleのサビフ・カーンCOOは、GFが米国内でApple製品向け半導体を製造する長年のパートナーであり、Appleの「American Manufacturing Program」の初期参加企業でもあると述べた。同プログラムは、Appleが掲げる4年間で6000億ドルの米国内投資計画の一部だ。

GMのマーク・ルース社長は、次世代の運転支援システム「Super Cruise」や車載AIに必要な処理能力を挙げ、半導体供給網の重要性を強調した。同氏によると、GMとGFはすでに自動車メーカーと半導体受託製造会社の直接供給契約を結んでいる。Cirrus Logicのジョン・フォーサイスCEOは、新工場が次世代のミックスドシグナル製品向けに米国内の製造能力を提供すると述べた。

マルタ拠点では、GFが10月8日に台湾のTSMCとの製造契約も発表している。5年間で20億ドル(約3160億円)規模の契約で、AI向けなどの先端パッケージングに使うシリコンインターポーザーをGFが製造する。GFは、この契約に基づく量産を2028年上半期に拡大し始める予定だ。

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は、新工場計画を州の人材と半導体産業基盤への信頼の表れだと評価した。州は「Green CHIPS」制度を通じて地域の半導体産業を支援している。Fab 8の責任者グラント・マキューアン氏も、2009年から同拠点を築いてきた従業員の経験を強調した。

元記事: Japan Funds, GlobalFoundries Runs: $21 Billion Fab Deal Debuts Allied-Nation Model

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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