【視点】中国AI半導体のエンフレーム、上場初日に179%高―時価総額約3.9兆円

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中国のAI半導体メーカー、上海燧原科技(エンフレーム・テクノロジー)が11日、上海証券取引所の科創板に上場した。終値は公開価格を179%上回り、中国政府が進めるAI半導体の国産化を背景とした投資家の強い関心を示した。
株価は公開価格の142.18元に対し、410元で取引を開始した。取引時間中に475元まで上昇した後、397元で取引を終えた。終値は公開価格の約2.8倍で、時価総額は約1710億元(約3.9兆円)となった。
同社は新株4303万5173株を発行し、約61億1900万元(約1400億円)を調達した。発行株式は上場後の発行済み株式総数の10%に当たる。
上場前から投資家の需要は極めて強かった。オンライン申込では、当初割り当てられた株式数の6109.34倍に当たる申し込みが集まり、個人投資家向けの配分を増やす回拨措置が実施された。
テンセントが出資するエンフレームは、中国で「GPU四小龍」と呼ばれるAI半導体新興企業4社のうち、最後に株式市場へ上場した企業である。摩爾線程(ムーア・スレッズ)と沐曦集成電路(メタエックス)は上海市場、壁仞科技(ビレン・テクノロジー)は香港市場に上場しており、いずれも上場初日に大幅高となった。
2018年設立のエンフレームは、AIモデルの推論や学習に使うクラウド向けAIチップのほか、AIアクセラレーターカード、計算システム、クラスター、ソフトウエア基盤を開発している。上場で調達した資金は、第5世代と第6世代のAIチップ系列の研究開発・事業化や、AI関連のソフトウエア、先進的な計算システムの開発などに充てる。
中国では、米国製の先端半導体技術への依存を減らすため、AI半導体の国産化が進められている。米国は高度なコンピューティングやAIに使われる半導体と製造装置について、対中輸出規制を段階的に強化してきた。中国政府も国内の政府機関や企業に国産半導体の採用を促し、半導体の設計から製造、メモリー、先端パッケージングに至る国内供給網の構築を後押ししている。
米調査会社IDCのデータによると、2025年に中国で出荷されたAIアクセラレーターカードは約400万枚だった。エヌビディアは約220万枚を出荷して55%のシェアを占め、最大手を維持した。一方、中国メーカーの出荷量は合計約165万枚で、市場の41%を占めた。AMDは約16万枚で、シェアは4%だった。
ゴールドマン・サックスのアナリストは8月、中国の半導体設備投資が2030年に820億ドルへ拡大するとの見通しを示した。メモリーや先端プロセスの生産能力拡大、中国製AIモデルとAIアプリケーションの普及が投資を押し上げるとみている。
エンフレームの業績も、中国国内のAIインフラ整備を受けて急拡大している。2025年の売上高は9億9020万元と、前年の7億2200万元から37%増加した。最終赤字は11億6000万元となり、前年の15億1000万元から縮小したものの、黒字化には至っていない。
2026年1~9月期の売上高は23億~30億元と、前年同期比325.78~455.36%増える見通しである。最終損益は7億~8億6000万元の赤字を見込む。同社は、売上高の伸びや利益率などによっては2026年または2027年に損益分岐点への到達か黒字化を実現できる可能性があるとしている。
テンセントは上場後もエンフレーム株の17.95%を保有する最大株主である。同時に最大の顧客でもあり、2025年にはテンセント向けの直接販売と関連する販売が売上高の83.79%を占めた。エンフレームは、両社が2019年からAIの利用場面への適応やモデル性能の最適化などで協力してきたとしている。
中国の半導体企業は、これまでの新規株式公開でも大幅な初日上昇を記録してきた。沐曦集成電路は2025年12月の上場初日に約700%上昇し、摩爾線程は425%高となった。壁仞科技も2026年1月の香港上場初日に76%上昇した。
中国のメモリー半導体大手、長鑫科技集団(CXMT)も7月27日に科創板へ上場し、公開価格の8.66元に対して49元で取引を終えた。上昇率は466%で、終値時点の時価総額は約3兆3000億元に達した。
半導体の国産化と並行し、中国のAIモデル開発企業も自国製ハードウエアへの対応を進めている。アリババ、Moonshot AI、Z.aiなどが中国製半導体で稼働させることを意識したモデルやソフトウエアを開発している。Z.aiは8月、AIモデル「GLM-5.3-Flash」を中国製半導体だけで構成された10万個規模のクラスター上で稼働させたと発表した。
エンフレームは今後も次世代AIチップやソフトウエア、大規模計算システムの研究開発を続ける方針である。売上高が急増する一方で赤字が続いており、研究開発への先行投資と収益化を両立できるかが今後の焦点となる。
※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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