Microsoft 365が7月1日から値上げ、最大43%増――大企業では割引廃止とのダブルパンチも

2026年7月2日 13:08

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記事提供元:Tech Times

Microsoft 365の商用プランにおける価格改定が、2026年7月1日付で適用開始された。これは2022年以来で最大規模の価格改定となる。今後、更新を迎える組織には、新しいユーザー単位の料金が即座に適用される。旧価格を維持するための早期更新の猶予期間は6月30日で終了しており、ITおよび財務部門は次の更新日に向けた早急な対応を迫られる(編注:本記事の内容は米国でのサービス内容・価格をもとにしたものです。日本国内での提供価格は異なります)。

■適用される対象プランと新価格一覧

マイクロソフトは2025年12月4日にこの価格改定を発表し、組織に対して7カ月間の準備期間を設けていたが、その猶予期間は終了した。新価格は、2026年7月1日以降に締結される新規契約または更新契約に適用される。現在、年間契約または複数年契約が有効な既存顧客は、次の更新日まで現行の料金が維持される。

年間契約における米国での主要な商用プランの1ユーザーあたりの月額料金(米ドル基準)の改定内容は以下の通りである。

・Microsoft 365 Business Basic:旧価格 $6.00 → 新価格 $7.00(17%増、約1,141円、1ドル=163円換算)
・Microsoft 365 Business Standard:旧価格 $12.50 → 新価格 $14.00(12%増、約2,282円)
・Microsoft 365 Business Premium:旧価格 $22.00 → 新価格 $22.00(据え置き、約3,586円)
・Office 365 E1:旧価格 $10.00 → 新価格 $10.00(据え置き、約1,630円)
・Office 365 E3:旧価格 $23.00 → 新価格 $26.00(13%増、約4,238円)
・Microsoft 365 E3:旧価格 $36.00 → 新価格 $39.00(8%増、約6,357円)
・Microsoft 365 E5:旧価格 $57.00 → 新価格 $60.00(5%増、約9,780円)
・Microsoft 365 F1(Teamsあり):旧価格 $2.25 → 新価格 $3.00(33%増、約489円)
・Microsoft 365 F1(Teamsなし):旧価格 $1.75 → 新価格 $2.50(43%増、約408円)
・Microsoft 365 F3(Teamsあり):旧価格 $8.00 → 新価格 $10.00(25%増、約1,630円)

また、単体の追加オプション(アドオン)も値上げされる。Windows Enterprise(デバイス単位)は31%増(5.85ドルから7.63ドルへ)、Microsoft 365 Apps for Businessは21%増(8.25ドルから10.00ドルへ)となる。なお、単体のMicrosoft TeamsおよびCopilotのSKU(最小管理単位)は今回の改定対象から除外されており、現時点では価格が据え置かれる。

■パーセンテージで最大の打撃を受けるフロントラインワーカー向けプラン

パーセンテージベースで最も上昇率が高いのは「F1(Teamsなし)」プランで、43%増(1.75ドルから2.50ドル)となる。単体で見ればわずかな差に見えるが、規模が大きくなると影響は甚大だ。例えば、5,000人の現場労働者(フロントラインワーカー)を抱える病院、小売業者、製造業者がF1プランを契約している場合、このSKUだけで年間4万5,000ドル(約734万円)の追加コストが発生することになる。

シフト勤務者や現場労働者を多く抱える組織は、次の更新までにTeamsの利用状況を監査すべきである。もしこれらの従業員がTeamsを積極的に使っていない場合でも、TeamsありのF1プラン(3.00ドル、33%増)を選択しておけば、将来的にTeamsの導入が進んだ際により合理的な選択肢となる可能性がある。

また、大企業向けプラン(Enterprise)の中で最も上昇率が高いのは「Office 365 E3」の13%増(23ドルから26ドル)である。500シートを契約する組織の場合、この基本料金の差額だけで年間約1万8,000ドル(約293万円)のコスト増となる。

■値上げを正当化するためにマイクロソフトが追加する機能

マイクロソフトでMicrosoft 365およびCopilot担当コーポレートバイスプレジデントを務めるニコール・ハースコウィッツ氏は、昨年12月の発表時に、今回の改定を単なる値上げではなく「価値の拡張」と位置づけた。既存の階層に新しい機能が順次追加され、2026年8月1日までに完全な展開が完了する予定である。

E3の顧客には、これまで単体アドオンとして月額約2ドルで提供されていたフィッシング対策、セーフリンク、マルウェア保護機能である「Microsoft Defender for Office 365 Plan 1」に加え、「Intune Remote Help」「Intune Advanced Analytics」「Intune Plan 2」の機能が追加される。すでにDefender for Office 365 Plan 1を個別に契約していた組織は、次の更新時にその分のコストを直接相殺できることになる。

E5の顧客には、「Security Copilot」がライセンス保有ユーザー1,000人あたり月間400セキュリティコンピュートユニット(SCU)分提供される。SCUはシート数ではなく、AIの処理能力を測定する単位であるため、高度な調査ワークフローや自動エージェントセッションを多用すると、標準的な利用よりも早く消費される。マイクロソフトは、割り当て分を超えた追加のSCUに対して1ユニットあたり6ドルを課金するため、E5の顧客は予期せぬ従量課金を避けるために、更新前にSecurity Copilotの消費量をシミュレーションしておく必要がある。

Business BasicおよびBusiness Standardの顧客には、50GBのメールボックス容量追加、Outlookでのクリック時URL保護機能、さらに受信トレイやカレンダーの情報を認識し、Word、Excel、PowerPointのエージェントにアクセスできる強化されたCopilot Chat機能が提供される。

重要な点として、マイクロソフトは、契約期間や支払っている価格に関わらず、対象となるすべてのSKUが展開に合わせてこれらの新機能を受け取れることを確認している。7月1日より前に旧価格で契約をロックインした組織は、機能を損なうことなく、より低い料金で利用できる。早期更新を行わなかった組織については、次の更新時に値上げと新機能が同時に適用される。

■相乗効果:大企業の請求額が公表値以上に跳ね上がる理由

大企業にとって、公表されている値上げ率は実際の予算への影響を大幅に過小評価している。マイクロソフトは2025年11月に「Enterprise Agreement(EA)」のボリューム割引を廃止しており、この別個の変更が、公表された値上げのニュースの裏で重くのしかかっているからだ。

従来のEA構造では、レベルD(1万5,000シート以上)の組織はオンラインサービスに対して自動的に12%の割引を受けていた。レベルCは約9%、レベルBは約6%の割引が適用されていた。しかし、2025年11月1日以降、すべてのEA顧客は規模に関わらず一律でレベルAの定価を支払うことになっている。

マイクロソフトのライセンスコンサルティング会社であるSAMexpertによると、以前レベルDの割引を適用されていた2万4,000ユーザーのE5契約組織は、今回の7月の値上げを考慮する前の「割引廃止」だけで、年間約200万ドル(約3億2,600万円)の負担増に直面する可能性があるという。この影響を合算すると、大企業における実質的な値上げ率は20%の範囲に達し、E3やE5の公表値である5〜8%を大きく上回ることになる。

2025年11月より前に複数年のEAを締結して価格をロックインしていた組織は、現在の契約期間中は保護される。それ以外のすべての組織は、定価ベースでの交渉を余儀なくされている。

■月払い契約者が知っておくべきこと

月払いのサブスクリプション契約者は、7月1日以降の次の請求サイクルから新料金が適用される。多くの組織にとって、これは8月の請求書から反映されることを意味する。本日以降に更新日を迎える年払い契約者は、その更新日まで現行の価格が維持される。

なお、個人向けのMicrosoft 365プラン(Personal:年額69.99ドル、Family:年額99.99ドル)は今回の改定対象外である。教育機関向け(Education)の価格も変更はない。非営利団体向け(Nonprofit)の価格は、固定の割引率構造を通じて商用料金に比例して調整される。政府機関向け(Government)プランは値上げされるが、値上げ幅が10%を超えるスイートについては、連邦政府の規制に準拠して複数年かけて段階的に調整が導入されることがマイクロソフトによって確認されている。

■次の更新日までに組織が取れる対策

早期更新の窓口は昨日で閉ざされたが、更新を控える組織が取れる選択肢はまだ残されている。

まず、更新前にシート数を監査することだ。多くの組織では、退職者、役割の変更、あるいは導入されなかったアプリケーションなどにより、未使用のライセンスを抱えている。Microsoft 365管理センターから90日間のサインインアクティビティレポートを出力すれば、未使用のシートを迅速に特定できる。更新前にこれらを削減することで、値上げが適用される課金対象のベースを減らすことができる。

次に、プランの階層を再検討することだ。Business Standard(14ドル)とBusiness Premium(22ドル)の価格差が8ドルに縮まったことで、リモートワークを導入している組織やデバイス管理の負担がある組織にとって、Premiumへの移行を再考する価値が高まっている。前年の前提にとらわれず、最新の数値で比較を行うべきである。

さらに、アドオンの重複を確認することも有効だ。Defender for Office 365 Plan 1を個別に支払っているE3の顧客は、次の更新時にその単体アドオンを解約すべきである。なぜなら、この機能は8月1日までに基本プランに統合されるからだ。これにより値上げ自体を回避することはできないが、コストの上昇を一部相殺できる。

大規模なフロントラインワーカーを抱える組織では、TeamsありとTeamsなしのモデルを比較検討する必要がある。TeamsなしのF1プランが43%値上げされるのに対し、Teamsありのプランは33%の値上げにとどまるため、Teamsを積極的に活用している現場においては、価格差の合理性が高まっている。

最後に、今すぐ利用状況の分析データをエクスポートすることだ。2026年後半に更新を迎える組織には、交渉に入る前にライセンス構成のデータに基づいた根拠を用意する時間がある。請求書が届いてから慌てるのではなく、今日からこの作業を開始することが、残された唯一の交渉材料となる。

■注目ポイントQ&A

●Microsoft 365の値上げはいつから適用されますか?

新価格は、2026年7月1日以降に締結されるすべての新規契約および更新契約に適用されます。現在有効な年間または複数年契約を結んでいる既存顧客は、次の更新日まで現行価格が維持されます。月払い契約者の場合は、8月の請求書から新価格が反映されます。

●今回の価格改定で影響を受けるビジネスプランはどれですか?

Microsoft 365 Business Basic、Business Standard、Office 365 E3、Microsoft 365 E3/E5、およびフロントライン向けのF1/F3プランを含む、主要な商用、大企業向け、およびフロントライン向けスイートが対象です。一方で、Microsoft 365 Business PremiumとOffice 365 E1は価格が据え置かれます。個人向け、教育機関向け、およびMicrosoft 365 Copilot単体の価格も変更ありません。

●値上げ後のMicrosoft 365の価格は、Google Workspaceと比べてどうですか?

Googleは2025年初頭にGemini AIを全プランに統合した際、価格を引き上げました。現在、Google Workspace Business Starterは年間契約で月額7ドル、Business Standardは月額14ドルです。今回の改定により、Microsoft 365 Business Basicも月額7ドル、Business Standardも月額14ドルとなり、エントリー階層では両者の価格が完全に一致しました。価格差がほぼなくなったため、今後は基本料金よりも、移行コストや統合の深さが主な決定要因になります。

●Microsoft 365 Copilotの価格も変更されますか?

いいえ。1ユーザーあたり月額30ドルで提供されている単体のCopilotアドオンは、今回の価格改定の対象から明示的に除外されています。将来的にCopilotの価格変更がある場合は、マイクロソフトから別途発表されます。

元記事: Microsoft 365 Price Increase Live Today: Up to 43%, Deeper for Large Enterprises

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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