3社に1社が夏のボーナスを増額、物価高対応が最多 東京商工リサーチ

2023年6月24日 16:47

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 東京商工リサーチは22日、「夏季賞与に関する企業アンケート」の結果を発表、3社に1社が前年夏より増額すると回答した。消費者物価の上昇が続く中、増額の理由として「物価高対応」と回答した企業の割合が最も多かった。一方、大企業に限ると、「業績好調」と回答した割合が最多で、中小企業との間に差が出た。

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 内閣府は22日、6月の月例経済報告を発表し、日本の景気判断を「緩やかに回復している」として前月から据え置いた。個人消費や設備投資など個別項目の多くを前月から据え置いた中、企業収益と雇用情勢の表現を引き上げた。また物価については、消費者物価は「上昇している」を維持したものの、国内企業物価は「このところ横ばいとなっている」から「このところ緩やかに下落している」へ表現を変えた。

 かかる状況下、東京商工リサーチは、2023年「夏季賞与に関する企業アンケート」の結果を発表。夏季賞与を前年夏と比べ「増額」させると回答した企業の割合は32.5%に達した。一方、「減少」と回答した割合は12.2%で、「増額」が「減少」を大幅に上回る形となった。大企業の方が「増額」と回答した割合が高かったものの、中小企業との間に大きな差はなく、企業全体として賃上げの方向に進んでいる状況が見て取れた。

 増額の理由については、「物価高へ対応するため」が57.4%と最多で、「業績好調のため」53.8%、「人材確保のため」48.2%、「賃上げ機運が強いため」41.0%と続く。ただし、大企業においては「業績好調」と回答した割合が最も多く、中小企業において「物価高対応」と回答した数が多かったため、全体として上記の結果となった。

 前年夏からの増額幅については、「10%以上20%未満」の36.5%が最多で、「10%未満」27.2%、「20%以上30%未満」15.5%が続いた。「10%以上20%未満」と回答した企業は、大企業と中小企業いずれの区分でも最多だった。

 今回のアンケートは、6月1日から8日の間に実施され、有効回答数は4,992社。うち617社が資本金1億円以上の大企業だった。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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