米国中古車価格はインフレ収束の指標か

2023年2月15日 08:12

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●1月の米中古車価格が上昇

 1月の米中古車価格が急上昇した。2月14日に発表されたCPI(消費者物価指数)も、ガソリン価格の上昇とともに中古車価格の上昇の影響もあり、前年比の上昇率は6.4%と予想の6.2%を上回った。

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 米国の中古車価格は昨年1年間で約10%以上下落したが、23年12月と24年1月は2カ月連続で上昇に転じている。

 特に1月の上昇幅が大きく、インフレ収束への道筋に暗雲が立ち込めている。中古車価格の上昇はインフレのピークアウト、年内利下げ説の楽観論を一気に吹き飛ばしている。

●米中古車価格

 車社会の米国では、中古車市場がCPIに与える影響も大きい。米国の中古車市場は新車の2~3倍の販売があり、車が生活必需品である中でその需要は大きい。

 2020年にはパンデミックによって、サプライチェーンが混乱し、中古車価格が急上昇。半導体不足も拍車をかけていた。新車の生産が遅れることにより、中古車へ需要が流れ、価格が高騰するという流れだった。

 2021年11月には中古車価格の指標であるマンハイム指数が200%を突破。

 アフターコロナとなり、サプライチェーンが落ち着きを取り戻したこともあり、中古車価格の上昇に歯止めがかかっていた。

 中古車価格は昨年下落したとはいえ、まだまだコロナ前よりは高い水準にある。ガソリンとともに米国民の生活を直撃している。

●気になる今後の中古車価格とCPI

 23年11月から12月にピークアウトしたCPIだが、中古車価格の下落によりインフレが緩和されているとするエコノミストが多い。

 11月までの下落は、景気不振とコロナ以降の急な需要に対応しようと在庫を積み上げすぎたことが原因と言われている。

 ただ、1月の中古車価格の上昇原因は分からないことが多い。雇用統計が強かったこととの相関性も不明だ。

 中古車価格がCPIに占める割合は約5%弱とはいえ、無視できない指標である。

 何よりも強い雇用統計と相まって、中古車価格が今後も上昇を続ければ、インフレへの処置はまだまだ必要であり、利上げもさらに必要になるというFRBの政策にも影響を与えかねないだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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