ヤマト運輸、コールセンター業務にテレワーク導入 顔認証など活用

2021年10月31日 07:33

印刷

顔認証技術を使って、セキュリティを担保しながらテレワークでコールセンター業務を行えるようにした(画像はヤマト運輸の発表資料より)

顔認証技術を使って、セキュリティを担保しながらテレワークでコールセンター業務を行えるようにした(画像はヤマト運輸の発表資料より)[写真拡大]

 ヤマト運輸(東京都中央区)は11月1日から、コールセンターのオペレーターがテレワークできる制度を開始する。コロナ禍をきっかけにテレワークが急速に浸透してきたが、コールセンターのオペレーターは出勤しているのが実情だった。今後はオペレーターの働く環境を整備して柔軟な働き方を用意し、それによって「つながりやすい」コールセンターをつくる。

【こちらも】ヤマト運輸とアルフレッサ、AI用いて配送量など予測 医療品を適性配車

 対象はパートタイムを含む社員全体で、23拠点でテレワークを開始する。セキュリティも担保する。オペレーターの顔画像を事前登録しておき、オペレーター以外の人がPC画面を見ると「不正アクセス」と判断して機能を停止。管理者に通知する。のぞき込みやなりすましを防ぐ。また、顔認証は在席か離席かのチェックにも使用し、勤怠管理にもつなげる。

 電話で顧客と対応時に不明点や困りごとが発生した際には、電話を保留にしつつ管理者のリアルタイムなサポートを受けられるようにした。通話にしたまま管理者につなげることも可能だ。

 これまでコールセンター業務は、セキュリティを担保する必要があり、さらに業務中に管理者から即時サポートを受けなければならないことから、テレワークに切り替えることが難しかった。同社は、サテライトオフィスや自宅などコールセンター以外でもこうした課題をクリアできる制度を整えた格好だ。

 ヤマト運輸は「ディーセント・ワーク」の実現に向けた取り組みを強化している。ディーセント・ワークとは、国際労働機関(ILO)が提唱した考え方で、日本語では「働きがいのある人間らしい仕事」と訳されている。

 同社は23万人の社員を擁しており、「社員が個の力を発揮できる労働環境があってこそ、グループとしての力が強くなる」と公言している。コールセンターのオペレーター社員に関しても働き方の選択肢を増やした。柔軟な働き方ができれば優秀なオペレーターの数を確保できる。問合せの多い時間帯にもつながりやすくなり、顧客の満足度も向上するという考えだ。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事