車のCMよもやま話

2021年10月13日 11:52

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Photo:1990年登場のレビュー(画像: マツダより)

Photo:1990年登場のレビュー(画像: マツダより)[写真拡大]

 昔からの車のCMには、いろいろな逸話がある。

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●「隣のクルマが小さく見えます」

 1966年4月、日産・サニーが1000㏄で登場した。

 これに対して1966年11月に登場したトヨタ・カローラは1100㏄エンジンで登場し、CMでは「プラス100㏄の余裕」と挑発した。

 そこで2代目サニーは1970年に1200ccで登場した際に、「隣のクルマが小さく見えます」とやり返した。そのCMでは、 “アヒル”を抱いた坊やが、隣の父親?と一緒に少し背伸びして、隣の(小さく見える)車がある筈の方向を見下ろしていた。

 後日談として、これに対抗して競合クラスに登場した別の車のCMでは、「大変だ!大変だ!」と羽根をバタつかせたアヒルが駆け出す。新たに登場したライバルの新型車に、暗にサニーが慌てふためく様子を揶揄したものだった。

 広告クリエーター同士も暗闘を繰り広げていた訳だ。

●小泉今日子のCM起用

 1966年式と結構年式が古くなった(失礼!)小泉今日子だが、CMの女王と絶賛された時期がある。

 彼女がCMに出る、ありとあらゆる商品の全てが売り上げを伸ばして、いつしか広告業界のクリエーターもスポンサーも、いつ記録が中断するかと注目を集める「連勝記録更新中」の選手の様な扱いとなっていた。

 そんな彼女を、マツダが「5チャンネル」という無謀にして分不相応な販売体制を展開した際に、1990年「オートザム」系列に投入した、「レビュー」のCMに登用した。
 
 「オートザム レビュー cm」で検索すれば、4人の小泉今日子がレビューに乗り込んだ動画とかが見られる筈だ。

 「レビュー」という車自体は玄人筋では評価が高かったが、あまりにも女性嗜好に寄せたコンセプトと、軽自動車「キャロル」等が主体の「オートザム」チャンネルの販売力自体が脆弱だった為、CMの女王、小泉今日子の神通力をもってしても販売台数を稼ぎ出すことは出来なかった。

 これを見た、自動車メーカーに限らず、全ての分野の宣伝広告を担当するクリエーターからは、「マツダよ、よくぞやってくれた」と、感謝されたとか。

 自分が「連勝記録を中断させる」のが怖くて、小泉今日子を使うことを躊躇っていたが、これで気兼ねなく登用可能となったからだった。

●「いつかはクラウン」

 トヨタ・クラウンは初代が1955年に登場し、現在は2018年に登場した15代目である。

 このクラウンの3代目「白いクラウン」(1967年)、7代目「いつかはクラウン」(1983年)のCMが印象に残っている。

 「白いクラウン」は、当時この車格クラスは、「黒塗り法人車両」が相場で、オーナーカー向きの塗色である「白」は珍しかった。

 勿論、時々突拍子も無いことを平気でやるトヨタのことで、2013年に14代目クラウンの特別仕様車「ReBORN PINK」まで投入した実績もある。
 
 「いつかはクラウン」は、大衆車である「パブリカ」や「カローラ」から、上級ファミリーカーである「コロナ」クラス、次いで最上級ファミリーカー格である「(コロナ)マークII」と車格の階段を上り、いつかは「クラウン」に昇り詰めたいとの願望を見事に表現したCMであった。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る

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