相場展望12月7日号 米株は好調ながら、日本株では外国人が先物売りに転換  来年1月20日までは『ハネムーン期間』、以降注意

2020年12月7日 08:22

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■I.米国株式市場

●1.米株式市況の推移

 1)12/03、NYダウ+85ドル高、26,969ドル
  ・米民主党と共和党が追加経済対策協議再開と伝わり、一時+227ドル高があった。
  ・ファイザーのワクチン供給が半分と報じられ、上げ幅縮小した。(日経新聞)

【前回は】相場展望12月3日号 イエレン氏米財務長官指名で株価上昇 <一考察>

 2)12/04、NYダウ+248ドル高、30,149ドル
  ・低調な雇用統計を受けて、速やかな追加経済対策成立への期待が一段と高まった。
   景気敏感株中心に幅広い銘柄に買いが入り、史上最高値を付けた。(フィスコ)

●2.米株式市場は好調だが、雇用指数が48.4と悪化し、株価は抑制気味に推移するかも

 1)米国株式は(1)コロナワクチン実用化(2)追加経済対策への期待で、好調な株価を形成。ウォール街との『ハネムーン期間』の次期大統領就任式の1/20までは堅調に推移すると予想している。

 2)しかし、コロナ感染再拡大で、雇用指数が分岐点50を下回るなど、改善ペースが鈍化している。加えて、株価が200日移動平均線との乖離が過去10年間で最高となっているため、一時的に警戒する動きが出やすくなってきている。

●3.米雇用統計で11月非農業部門雇用者数+24.5万人増で、失業率6.7%(NHK)

 1)コロナ感染急拡大で、雇用の回復ペースは鈍化。

 2)雇用者数予想は+46万人、前月は+61万人増に比べて、下方修正された。

 3)失業率は予想と一致し、前月6.9%からは改善。

●4.米10年債利回りが12/4、0.98%近辺まで一段と上昇、終値は0.96%(フィスコ)

●5.米、「ワクチン接種する」が58%で、安全性への懸念の払拭が課題(産経新聞から抜粋

 1)集団免疫を獲得するためには約7割の接種率が必要とされるが、安全性への懸念から米国でのワクチンへの理解は大きく広がっていない。

 2)バイデン次期大統領は、国民の懸念払拭に努める姿勢をアピールした。

●6.米政府は、中国系アプリTikTokの事業売却期限を延長せず、ただ協議は継続(ロイター)

●7.米財務長官は12/2、航空業界向け追加給与支援170億ドル(4カ月)を支持(ロイター)

●8.企業動向

 1)ドアダッシュ  食事宅配サービスのドアダッシュの新規株式公開(IPO)で最大31億ドル(約3,220億円)の調達を目指す。(ブルームバーグ)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数

 1)12/03、上海総合指数▲7、3,442
  ・米下院で、米国の監査基準を順守しない中国企業の米上場を廃止出来る法案が可決したことで、圧迫された。(ロイター)

 2)12/04、上海総合指数+2、3,444
  ・11月製造PMIなど経済指標は良好だが、米中対立の警戒感があり上値は限定的。
  ・米国防省は中国人民解放軍が所有・支配の中国企業4社を発表。(亜州リサーチ)

●2.中国11月新車販売は前年同月比+11.1%増

 1)日本車の中国販売は、トヨタ+16.7%、日産+5.2%増。

●3.米国は12/3、中国共産党員へのビザ有効期限を最長10年から1カ月に短縮した(読売新聞)

 1)中国は「中国共産党を攻撃し、党員を迫害すれば、中国14億人を敵に回す」と威嚇。

 2)ポンペオ米国務長官は12/4、「身体的暴力、個人情報の窃取や公開、スパイ活動、破壊工作、米国内政治問題、学問の自由、個人のプライバシー、事業活動対するに悪意のある干渉に関与した者」に適用されると述べた。(ロイター)そのうえで、中国に対し、表現の自由や抑圧するための脅迫や強要をやめるよう要求した。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)12/03、日経平均+8円高、26,809円
  ・短期的な過熱感から利益確定売りが出たが、ワクチン普及の期待と先高感から押し目買いが入り、底堅い展開となった。

 2)12/04、日経平均▲58円安、26,751円
  ・ファイザーがワクチンの原料確保に苦戦し供給量が半分に縮小すると伝わり、加えて米雇用統計発表も控えて様子見姿勢が強まった。

●2.外資系は売り越しに転換の模様

 1)外国人買いは減少傾向、特筆すべきは先物で11月4週▲869億円と売り越し転換したこと。なお、個人・年金は売り越しを継続。
         外国人先物  外国人合計(現物込み)  個人
   11月1週 +7,417億円買+10,990億円買    ▲4,311億円売
   11月2週 +6,739    +10,581       ▲6,883
   11月3週 +2,640    + 5,972        ▲2,344
   11月4週 ▲ 869 + 3,498        ▲4,966

 2)11/26に今回では最高買残+280,240枚、以降27万枚台で推移していたが、12/2から売り戻しに転じ、買残枚数が減少している。なお、外資系先物手口12/4は▲15,708枚売り越し、買残高+254,032枚なり 11月4週に引き続き、12月1週は先物で外国人売り加速した。

●3.政府は、欧米中の動きに対抗して、2030年代半ばにガソリン車の新車販売禁止へ(毎日新聞)

 1)日本は2019年の新車販売は430万台で、このうちガソリン・ディーゼル社が約6割、HV(ハイブリッド車)は約3割、より環境性能の高いEV(電気自動車)は約0.5%にとどまる。

●4.企業動向

 1)オリンパス  米医療機器メーカーを3.4億ドル(約354億円)で買収。(時事)
          呼吸器事業の強化が狙いで、12月末までに全株式を取得。

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)

 ・1893 五洋建設   脱炭素で洋上風力発電関連。
 ・9020 JR東日本   ワクチン実用化で経済正常化関連。
 ・6289 技研製    国土強靭化で3次補正予算関連。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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