トヨタ・TNGAメカニズム理解すると、ライズ、RAV4、ハリアー、アリア、キックスも好きになる

2020年9月7日 11:17

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トヨタ・ハリアーで使用されている「ハイブリッドシステムTHS II」(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

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 トヨタ・ライズ、RAV4、ハリアー、そして日産・キックス、アリアなど、選ぶのに困るほどの新車がデビューしてくる。ぜいたくな悩みだが、これらのクルマは、インダストリー4.0を目指すトヨタ・TNGA「Toyota New Global Architecture」メカニズムを理解すると、みんな好きになってしまう。

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 リーマンショック、つまり「2008年9月にリーマンブラザーズ(アメリカ投資銀行)が破綻した」ことから始まった世界不況によりトヨタが赤字に陥り、固定費削減に苦戦していた時期があった。それから体質改善をはかり、採算分岐点を下げる努力を始めた時考案されたのがTNGAである。

 トヨタはそのTNGAで、商品企画や開発段階からサプライヤーを含めて企業全体を「どの様な構造にするのか?」という目標を定めた。俗にいう「ビジネスモデル」の構造を「メカニズム」として捉えて、理想の資金効率を目指し「カイゼン」していく作業を、始めたのだ。これにはもちろん決算数字などからの分析による「メカニズム」の解析が含まれるが、「数字の結果がどのようなメカニズムでもたらされたのか?」が最も大事なポイントであり、これを外してビジネスモデルは成り立たない。

 TNGAに関する専門家の理解が誤っており、特に会計の専門家が誤解するのは、自動車製造のビジネスモデルを「メカニズムとして理解する」ことが出来ないからだ。そのため決算数字をもとに詳細な‟偉大なる分析“が出来ても、メカニズムは解析できていないことが起きている。

 そうした「的外れな」理解が、品質問題を起こしたメーカーの対策レポートに明確に表れている。そのため「品質対策」は不十分のままになり、ある程度の時間が経つと同じ問題が再発する懸念を残してしまった。つまり、不良を起こす「メカニズム」には気付かず、対策したと言っても不良原因のメカニズムはそのまま温存されてしまっているのだ。単に「気を付けます」と宣言しただけなのだ。

 『“大量まとめ発注”を行うことで、開発の効率化を行う』ことをTNGAが狙っていると、TNGAを解析しているメディアの記述にも見られるが、実際は全く逆の“大量まとめ発注”をしないシステムがTNGAと言っても良いくらいなので、みんなが製造の「メカニズム」を根本から理解する必要がある。

 物事は「メカニズム」で理解できないと、理解したことにならない。金融知識の経営者がこの能力を持たないことが多く、自動車産業のビジネスモデルを曲げているとも言える。日産自動車、ホンダが間違えている原点である。

 そうして「自動車の造り方」が見えてくると、ライズ、RAV4、ハリアー、アリア、キックスの成り立ちが見えてくる。トヨタと日産の違いも見えてくる。プラットフォームから設計されているトヨタ各車、ライズ、RAV4、ハリアーはMR(マーケット調査)から計算された市場の成り立ちを描くことが出来ている。日産・アリア、キックスはBEVの衝撃はあるが、市場をどのように見てどこを狙っているのか、2車種の関係性はどうなのかなど、これから調整しなくてはならないようにも見える。

 それでも、これらの車種が何を競い合っているのかが感じられて、一生懸命な姿が浮かんでかわいらしく見えてくる。つまり、どの車種も好きになってくるのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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