昨年からあった「日産とホンダの合併案」 模索した政府筋は素人?

2020年8月18日 07:11

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 英紙フィナンシャル・タイムズは、日本政府が昨年末から、日産とホンダの両社に合併案を持ちかけていたと報じた。

【こちらも】マツダ、ホンダ、日産、生き残れるのか? (2) 驚異「トヨタ:売上高1%減・営業利益1%減」

 ホンダはグローバル企業の体質に変わっている。「良いか悪いか」はともかくも、傘下のサプライヤーを日立製作所傘下に繰り入れたのだ。ホンダのサプライヤーであるケーヒン、ショーワ、日信工業と日立オートモティブシステムズを統合し、出資比率33.4%まで後退させている。

 この動きから、ホンダと日産を合併させれば、トヨタに次ぐ自動車会社が日本に誕生し、経済に資するものと政府は考えたのであろう。しかし、これにはホンダのメリットが少なすぎた。ホンダはCASEなどに対応するため、GMと協力する姿勢を固めている。その企業体質から言っても、トヨタのように「生産方式」によってコストダウンや資金効率を上げる方向に動いてはいない。

 一方、日産にはルノーに株式を握られている絶対的に不利な立場がある。カルロス・ゴーン元会長が巧みに組み立てたルノーとの契約RAMAがある。

■参考資料
【コストカッター、カルロス・ゴーン(7)】ルノー(フランス政府)との敵対的攻防を想定せよ

【コストカッター、カルロス・ゴーン(9)】 現実の「RAMAと総会での想定される抗争劇」

カルロス・ゴーン再逮捕で何が起こる(1) 日産は「RAMA」で戦え! ルノー会長復帰もムリ

日産はだれのもの? ルノー・日産・三菱アライアンスの主導権争い(1/2)

 ルノーと日産は、基本的にはルノーの株式での支配が固まっている。だが、カルロス・ゴーン元会長が巧みな契約(RAMA)によって、日産が保有する自社株を駆使した場合にはルノーの思い通りにいかない仕組みを造り上げ、自分の主導権をつくり上げていた。

 フランス・マクロン大統領は、日産の生産規模をフランス国民の雇用に加えたいと考えており、カルロス・ゴーン元会長に、ルノーのCEOの任期を延長する代わりにルノーと日産の合併を働きかけていた。

 こうした力関係の歪みによりカルロス・ゴーン元会長を解任する動きを呼んでしまい、日産は混乱をきたしてしまっている。また、ルノー・日産・三菱の3社は、協力と分業を進めて互いの資金効率を高める動きに出ており、そこにホンダが入る余地がないと見える。

 この3社アライアンスの関係を整理しないことには、ホンダが合併することを承知するはずもない。だからこの時点で、「日産とホンダの合併案」を模索する政府関係者は「素人?」と思われても仕方がない。

 また、ルノーが日産株を売りに出さねばならない状況が起きれば日産が独立するチャンスがあるが、コロナ禍で昨年とは違う情勢が動いているだけに、このタイミングでホンダと日産の合併が取りざたされることに、「日産とホンダの合併案」に向かう伏線としての意味があるのかもしれない。

 ホンダと日産の体質では、「日産とホンダの合併案」に向かうのは難しいと考えることに真理があると思われる。しかし、政府関係者が国内産業育成のため両社をトヨタと比較できる企業にしたいのは、痛いほど切実に感じる。

 日本国民としては、これからの日本の雇用を増やす展開に一縷の望みを託したい。さらには、ホンダ、日産両社の経営陣に「日本の企業」であることを思い返すことを切に望みたい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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