海外で人気のピックアップトラック 日本ではハイラックスだけの理由

2020年6月16日 16:48

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トヨタ・ハイラックス(写真: トヨタ自動車発表資料より)

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 日本でピックアップトラックをあまり見ない理由を考えたことはあるだろうか。北米などでは多くの世帯が自家用車として走らせているが、日本ではあまり見られない。最近でも、マツダがニューモデルのピックアップトラックを6月17日に世界初公開予定だが、発表したのはオーストラリア部門である。同じ国内メーカーであるいすゞがマツダにOEM供給を行うことで完成したモデルだが、国内導入の情報はない。

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 日本において新車発売中であるピックアップトラックは、トヨタ・ハイラックスしかない。世界を見渡せば、北米ホンダのリッジライン、フォード・F-150、北米トヨタ・タンドラなど、アメリカ圏を中心に人気を集めている。フィアット・クライスラー・オートモービルズにいたっては、「ラム」というピックアップトラック専用のブランドがあるほどだ。

 国内にピックアップトラックがなじまないことは、自動車の歴史の流れが関係しているようだ。日本でも1935年に現在の日産から登場したダットサントラックをはじめ、昭和時代には多くのメーカーによるピックアップトラックが新車市場に並んでいた。

 しかし1982年のパジェロをきっかけとしたRVブームが日本に到来。その後90年代以降は、トヨタ・エスティマやホンダ・オデッセイなどのミニバンが自動車市場を盛り上げた。2010年代からはSUVが荷室の広さなど本来のメリットを生かしながら、コンパクトや高級モデルなどに多様化し、自動車業界で注目を集めている。

 SUVやミニバンであれば、家族や友人でドライブを楽しめるだけでなく、トラックのように荷物が雨に打たれたり、事故や飛来物などで傷んだりするリスクも避けられる。さらに通勤や子どもの送り迎えなどに安心して使えるなどの柔軟性を優先する考えが広まり、ピックアップトラックは次第に日本人の思考から消えていったのだろう。

 トヨタ・プリウスや各種軽自動車など、低燃費で「エコ」を強調したクルマの活躍もあり、燃費への強みがないピックアップトラック市場は今も拡大の兆しがない。

 エコや家族での楽しみなど、現実的なカーライフを重視する日本人にとって、ピックアップトラックは視界に入りづらいようだ。しかし少数ながら、日本でもハイラックスなどを好む人がいることも事実。灯火が消えて欲しくない人もいることだろう。

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