AIが新型コロナウイルスの感染経路をモデル化 封じ込め戦略を立てる

2020年4月19日 15:14

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 AIが新型コロナウイルス感染拡大を検知する方法は、「ネットでの情報のやり取り(メディア、メール、航空券販売など)」をモニタリングすることだ。日本政府も、携帯電話の位置情報のモニタリングによって「外出状況」を見るようになったが、カナダのブルードット(BlueDot)は「自然言語処理と機械学習」を用いて、メディアなどのデータを解析し、感染場所の特定までする。さらに多くの条件を加味することで、正確な現状認識が可能となるのだ。

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 AIも万能ではないが、少なくとも「過去の情報から広く情勢を見渡す能力」は人間の判断を助けることとなる。

 そして、感染した地域からの航空機のチケット販売データを検知して、感染拡大の地域、規模、時期などを予測することが出来る。ブルードットは2019年12月、一早く、新型コロナウイルスが「中国の武漢市」から日本の東京、タイのバンコク、韓国のソウルなどに感染拡大する予測を的中させた。こうした作業は、AIが自然言語処理と機械学習を用いなければ出来ないことで、専門家の作業を著しく支援することとなる。

 アメリカのメタバイオタ(MetaBiota)は、アメリカ国内で新型コロナウイルス感染拡大予測を的中させた。これもブルードットと同じような手法を活用したのだが、メタバイオタの「非構造化データ」を解析して全体像を捉える作業は、AIが得とするものだ。

 さらに、メタバイオタシステムの凄いところは、インフラや医療態勢、人の移動予定などを加えて、各国の感染症の影響を受けるリスクを数値化したアルゴリズムにより、可能性が高い地域だけでなく、「その影響を予測」していることだ。

 アメリカのジョージア州にあるジェイビオン(Jvion)は、収入などのデータに基づいて栄養のある食事を摂れるのかなどから、それぞれのコミュニティー(地域)のリスクを見定め、「コミュニティーでの新型コロナウイルス脆弱性マップ(Covid Community Vulnerability Map)」をマイクロソフトのクラウド「Microsoft Azure(アジュール)」に掲載している。これを基に、各コミュニティーに即した対策を取れるようにしている。

 こうしたAIの働きを考えると、「自然言語処理と機械学習」によって、SF映画にあるように「大量の科学文献」から感染症情報を学習し、感染拡大の解決策を解明するべきである。アメリカのアレン人工知能研究所は、新型コロナウイルスに関する3万本ほどの論文を「カグル(Kaggle)」で公開した。

 カルグは、グーグル傘下のオープンデータセットプラットフォームである。このデータを使い、アメリカ政府は、AI研究者に新型コロナウイルス感染対策に役立つデータ整理をしてもらうことを考えているようだ。

 AI利用の技術については、この新型コロナウイルス感染拡大を好機として一気に進む可能性がある。これを前向きな事実と捉えよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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