宇宙から来る周期的な高速電波バースト その発生源は何?

2020年2月12日 17:31

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 FRB(Fast Radio Burst、高速電波バースト)とは、宇宙の一定の方向から突発的に発せられる電波のことで、その原因は、遠く離れた他の銀河で起きている爆発によって生じた電波であるとされているが、実は詳しいことはあまりわかっていない。

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 その理由は、仮に運よくFRBの電波を観測できたとしても、その継続時間が非常に短く、発生源の特定が極めて困難なためである。しかしながら、この広い宇宙には無数の銀河が存在しており、いつもどこかの銀河でFRBを引き起こすような大爆発が起きていることは容易に想像がつく。

 この種の電波は、2007年に初めて観測され、現在ではその数は100にも及んでおり、天文学者たちの間でFRBのリストがカタログ化されている。

 FRBは、普通は1度限りの現象であり、信号の継続時間はごく短時間だが、いっぽうで周期性を持って繰り返し信号が発せられるものも10個ほど発見されている。今から6年前に発見された周期的な電波を発生するFRBは、知的生命体からの電波ではないかとの憶測も飛び交ったほど不可思議な存在で、16日おきに地球に電波が到達している。

 最近アメリカのサイエンスニュース誌で、この不可思議な周期性FRBの発生源の正体を、世界で初めて解明したという画期的なニュースが紹介された。

 そのニュースによれば、その天体は地球からおよそ5億光年のかなたにあり、電波源となる天体がブラックホール、あるいはそれ以外の天体の周りを16日周期で周回しているのではないかと考えられている。

 FRBの電波は、一定の方向にしか発信されない(もともとガンマー線バーストは一方向にしか発信されない)ため、この天体が発するガンマー線バーストが、16日に1度だけ地球の方向に向くという仮説だ。

 FRBの信号が周期性を持って繰り返される原因の1つに、電波源天体が中性子星である可能性も示唆されている。しかしながらその場合、信号の周期は極めて短い時間になるため、16日周期で信号を繰り返すFRBの周期を説明することはできない。

 中性子星と言えば、知的生命体からの電波と紛らわしいものを地球に発信してくる存在として古くから知られてはいたが、電波バーストの発生源となることが示唆され始めたのは、ここ10年くらいの最近のことである。

 今回特定された16日周期のFRB発生源天体の事例にあるように、FRBのすべてが中性子星ということではないらしく、このような比較的周期が長いFRBも宇宙の中では珍しいものではないだろうと見られている。

 太陽系では、連星系という存在はなじみが薄いが、宇宙では連星系は全く珍しいものではなく、中性子星による連星系あるいはブラックホールによる連星系、さらには中性子星とブラックホールがなす連星系などもあり、これらから様々な原因で地球に不可思議な信号がもたらされている。人類はまだそのような現象の一端を捉え始めたに過ぎない。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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