トヨタ、富士山裾野に実証実験都市建設開始 CES2020で社長自ら概要を発表

2020年1月8日 07:35

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記事提供元:エコノミックニュース

トヨタが静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本東富士工場跡地を利用して、大規模なスマートシティの実証実験を開始する。2021年に着工し、将来的に175エーカー(約70.8万平方メートル)の街づくりを進めるという大規模な実証実験都市「Woven City」である

トヨタが静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本東富士工場跡地を利用して、大規模なスマートシティの実証実験を開始する。2021年に着工し、将来的に175エーカー(約70.8万平方メートル)の街づくりを進めるという大規模な実証実験都市「Woven City」である[写真拡大]

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 トヨタ自動車は2020年1月7日~10日、米国ネバダ州ラスベガスで開催しているCES 2020(国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)において、人々の暮らしを支えるあらゆるモノやサービスがつながる実証実験都市「コネクティッド・シティ」のプロジェクト概要を発表した。

 このプロジェクトでは、2020年末に閉鎖予定のトヨタ自動車東日本株式会社 東富士工場(静岡県裾野市)の跡地を利用して、将来的に175エーカー(約70.8万平方メートル)の範囲において街づくりを進めるという大規模な実証実験都市だ。2021年初頭に着工する予定。今後、さまざまなパートナー企業や研究者と連携しながら、新たな街をつくり上げていくとしている。

 プロジェクトは、人々が生活を送るリアルな環境のもと、自動運転、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能(AI)技術などを導入しその機能を検証できる実証都市を新たに作るというもの。プロジェクトの狙いは、人々の暮らしを支えるあらゆるモノ、サービスが情報でつながっていく時代を見据え、この街で技術やサービスの開発と実証結果のサイクルを素早く回すことで、新たな価値やビジネスモデルを生み出し続けることにあるという。

 トヨタは、網の目のように道が織り込まれ合う街の姿から、この街を「Woven City」(ウーブン・シティ)と名付け、初期は、トヨタの従業員やプロジェクトの関係者をはじめ、2000名程度の住民が暮らすことを想定している。

 また、街作りを進めていくうえで、それぞれ独自のプロジェクトの実証に活用して貰うことも含めて、世界中のいろいろな企業や研究者などに対して、実証への参画を募る。独自の参加希望者に向けた専用サイトも立ち上げた。参画ご希望者向けウェブサイト

 トヨタ社長の豊田章男氏は、「ゼロから街を作り上げることは、今回のような小さな規模であったとしても、街のインフラの根幹となるデジタルオペレーティングシステムも含めた将来技術の開発に向けて、非常にユニークな機会となります。バーチャルとリアルの世界の両方でAIなどの将来技術を実証することで、街に住む人々、建物、車などモノとサービスが情報でつながることによるポテンシャルを最大化できると考えています。このプロジェクトでは、将来の暮らしをより良くしたいと考えている方、このユニークな機会を研究に活用したい方、もっといい暮らしとMobility for Allを私たちと一緒に追求していきたい方すべての参画を歓迎します」と語っている。

 今回のプロジェクトにおける基本となる都市設計は、デンマーク出身の著名な建築家でビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)でCEOを務めるビャルケ・インゲルス氏が担当する。BIGは、ニューヨークの新たなワールドトレードセンターやGoogleの新しい本社屋など、これまで数多くの著名なプロジェクトを手掛けてきたグループだ。

 BIGの創業者でクリエイティブ・ディレクターでもあるインゲルス氏は、「さまざまなテクノロジーにより、私たちが住む街のあり方は大きく変わり始めています。コネクティッド、自動運転、シェアリングのモビリティサービスは、現代の新しい暮らしの可能性を拡げるでしょう。今回の実験都市『Woven City』は、トヨタのエコシステムによって幅広いテクノロジーや業界と協業することができ、その他の街も後に続くような新しい都市のあり方を模索するユニークな機会だと考えています」と述べた。

 CESで豊田章男氏が語った所によれば、具体的には、2021年初頭から段階的に着工する計画だ。地下には、水素燃料発電や雨水濾過システムをはじめとする街のインフラがすべて備わり、モノの自動配達のネットワークも地下につくられる。地上の建物をそれらのネットワークにつなげる。

 建物はおもにカーボンニュートラルな木製だ。日本の伝統的な木の建具とロボットによる新しい生産方法を組み合わせてつくられる。新しい技術を通じて伝統を維持・進化させた建造物&住居だ。屋根には、太陽エネルギーを収集するため、太陽光発電用のパネルが敷き詰められる。

 Woven Cityの住宅では、日々の生活を支援する家庭内ロボットなどの新技術の実証を行なう。居住空間たるスマートホームは、センサーベースの人工知能技術を使って、冷蔵庫を自動で補充したり、ゴミを捨てたり、あるいは健康状態を自動でチェックしたりと、つながる技術を最大限活用する。住宅建設にはトヨタホームのほか、トヨタと合流を決めたパナホームなどのノウハウが存分に活かされる模様だ。

 Woven Cityの地上で重要な役割を果たすのが、シェアリングや移動店舗に使用される自動運転車で、オリンピックでも活躍する予定の「e-Palette」だ。また、e-Paletteはセントラルプラザで多彩に活用され、市場、町の広場、イベント会場の賑わいを作り出す。

 そしてもちろん、最大の目玉は、富士山の素晴らしい眺めが楽しめることだとアピールした。(編集担当:吉田恒)

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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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