銀河団中心部は予想以上に"熱い"か 惑星分光観測衛星「ひさき」による観測

2019年9月6日 21:45

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銀河団中心部のイメージ図。(c) JAXA

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 JAXA宇宙科学研究所は9月2日、惑星分光観測衛星「ひさき」による銀河団観測から、銀河団中心では、冷却されたガスの量が理論的予測よりも少ないことが分かったと発表した。

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■銀河団

 多くの星が集まって銀河を形成するように、銀河も複数集まって集団を形成している。100個以上の銀河が集まった銀河の集団を「銀河団」と呼ぶ。自らの重力で形状を保っている天体としては最大のものである。

 銀河団の質量の大部分は、見えない物質「ダークマター」が担っており、その重力によって数千万度以上のプラズマガスが閉じ込められている。

 銀河団の中心部(銀河団コア)のガスからは非常に強いX線が放射されており、そのために、銀河団コアの温度は急速に低下すると考えられている。しかし現在まで、冷却された低温ガスは観測で見つかっていない。

■惑星分光観測衛星「ひさき」

 惑星分光観測衛星「ひさき」は、金星や火星、木星などを遠隔観測する惑星観測用の宇宙望遠鏡である。太陽風が惑星の大気に及ぼす影響を調査するため、極端紫外線観測装置を搭載している。

■今回の観測

 研究チームは、銀河団コア内の数万度から数十万度のガス(以下、中温ガス)を調査対象とした。この温度帯についてのデータが不足していることから、測定することで、銀河団コアが高温を保っているメカニズムを解明する手掛かりが得られると考えたためだ。

 観測対象には、地球から約64億光年離れた銀河団RCS2J232727.6-020437が選ばれた。チャンドラX線望遠鏡による観測では、この銀河団は毎年数100太陽質量の低温ガスを生成すると推測されていた。

 この銀河団の中性ヘリウムが発する放射は、極端紫外線と呼ばれる波長域の光になる。今回の研究では、「ひさき」の極端紫外線観測装置を利用し、銀河団を観測した。

 その結果、中温ガスは想定していた量よりも少ないことが分かった。このことは、高温ガスが予想よりもゆっくりと冷却されているか、何らかの熱源があることを示しているという。

 研究成果をまとめた論文は、8月16日、アメリカ天文学・天体物理学の学術誌「The Astrophysical Journal」に掲載された。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る

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