海外で販売される日系メーカーの本格SUVは「日本未発売」 その魅力に迫る

2019年7月23日 11:50

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トヨタ フォーチュナー  (画像:TOYOTA Motor Philippinesの発表資料より)

トヨタ フォーチュナー (画像:TOYOTA Motor Philippinesの発表資料より)[写真拡大]

  • 三菱 モンテロスポーツ(画像:MITSUBISHI MOTORS PHILIPPINES CORPORATIONの発表資料より)
  • 日産 テラ(NISSAN PHILIPPINESの発表資料より)
  • ホンダ BR-V(Honda cars Philippinesの発表資料より)

 日本の自動車メーカーが開発販売を行っているにもかかわらず、日本国内で販売されない日本車が数多く存在する。特に人気の高い車種は、トヨタ・フォーチュナー、日産・テラ、ホンダ・BR-V、三菱・モンテロスポーツといったSUVだ。いずれの名前も日本では聞きなれないものばかりだが、新興国やオーストラリアを中心に売れまくっている。

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 それぞれの車種の特徴は、高級感を出しながら、新興国のような道路事情の良くない場所でも安心して走行できる走破性の高さが際立っている。またギャップの激しい舗装道路も、足回りはしなやかで追従性が良く、室内は快適に過ごすことがでる。

 パワーユニットに関しては、多くの国産メーカーでディーゼルエンジンを主力のラインナップとしている。日本国内では、「ディーゼル=社会悪」という風潮が広まってしまい、マツダを除く他のメーカーではあまり国内販売に力を入れていない。

 しかしディーゼルエンジンは、低回転から力強いトルクを発揮することができ、現在の技術によりガソリン車と同等のクリーンでエコなエンジンとなっている。そのため海外では、燃料費の安いクリーンディーゼルエンジン搭載車がもてはやされるという理由だ。

 また、低速トルクに優れるディーゼルエンジンと4WDとの組み合わせは、悪路走破性が高く、どのような場所でも難なく走行することができる。

 インテリアを見てみると、どの車種にも合成皮革シートが用意されているほか、ナビモニターが標準装備されている。当然ながら運転支援システムも搭載されている。そして特徴的なのは、ほとんどが3列シートを備えた7人乗りとなっている点だ。もちろん車体が大きいため、3列目シートに座ってもそれほど窮屈には感じないし、荷室容量も大きく、使い勝手は高い。

 車体サイズは、だいたいどの車種も全長4,800mm前後、全幅は1,850前後、全高はなんと1,800mm前後となり、日本のミドルサイズのハリアーやRAV4より一回り大きなサイズとなっている。

 車両本体価格を見ると、ホンダ・BR-V:約218万円~約243万円、トヨタ・フォーチュナー:約339万円~約476万円、三菱・モンテロスポーツ:約330万円~約474万円、日産・テラ:約317万円~約444万円となっている。しかし、日本ではオプションとなるナビなどが標準となり、割高なディーゼルエンジンを搭載していることを考えれば、お得な値段といえる(フィリピンでの車両本体価格を参考に為替レート1ペソ2.11円で換算)。

 日本でも、SUVブームが到来して多くの車種が走っているが、本格的にSUVとして楽しめる車種は限られており、どちらかというとシティ派のSUVがほとんどである。海外で販売される日本車には、本格的に悪路も走行でき、しかも洗練されたスタイルと上質さをまとった魅力的な車種が存在する。これらの車種が、日本で導入されないことが残念で仕方がない。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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