ホンダ四輪部門、利益率1.9% ホンダジェットは成功しても本田宗一郎の夢、挫折か? (下)

2019年5月15日 18:49

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■生産システム整備の遅れは致命傷になる

 ホンダが利益率を落としたのは、増産のために世界の拠点で設備投資しても、「売れ筋車種」がその地域で売れなければラインの稼働率が落ちてしまうからだ。閉鎖を決めたイギリスの拠点の稼働率は生産能力の6割程度だった。それもそのはずで、生産車種は「シビックハッチバック」のみであった。これを防ぐためマツダやトヨタが進める「売れる地域で造る体制」、すなわち「スウィング生産」が出来ない能力なのだ。

【前回は】ホンダ四輪部門、利益率1.9% ホンダジェットは成功しても本田宗一郎の夢、挫折か? (上)

 ホンダは、サプライヤーを含めた「混流生産」「スウィング生産」体制が遅れている。地域専用車が多すぎるのと、グローバルカーにしても地域専用仕様を造っており、専用ライン化を必要としてしまっているのだ。

 トヨタTNGAの狙いのように、専用仕様でも共通生産仕様にし、設計からサプライヤーを巻き込んで品質の安定を図り、いつでも売れている地域に生産移行が出来る体制にする必要がある。といっても、これはすぐには出来ないことだ。このような長期にわたる経営戦略を任期の短い取締役に委ねると、短期の利益率にこだわってしまい、結局のところ破局に向かうのだ。

 日経ビジネスの報道によると、八郷隆弘社長は“「必要以上の地域ニーズへの対応を進めた結果、効率が落ちてきた」”と語ったという。

 日産自動車は、長い間トヨタ自動車と日本国内で覇権争いを繰り返した。トヨタに対抗するため、大衆車から高級車までフルラインナップの車種を開発し続け、有利子負債を増やしてしまった。

 その後バブル経済がはじけて減産に追い込まれたとき、金利負担で赤字に至り、ついには資金繰りでルノーに売り渡すことになり、カルロスゴーン元会長の介入を招いたことは周知の通りだ。これも日産が、「造り方」すなわり「生産方式」刷新で遅れ、資金効率を落としてしまった結果なのだ。現在のホンダの姿とダブって見えてくる。

 『自動車工業のビジネスモデルは、造り方(生産方式)が全てである』といってもよい状態であることを、ホンダ経営陣が軽視していると見える。そろそろ、トヨタとの提携が筋論となってしまうかもしれない。少なくとも、中国資本など海外資本や出資者が判然としないファンドに、「日の丸ホンダ」を売り渡さないでほしいものだ。

 ソフトバンク孫正義氏の「ファンド2」が触手を動かすのは、面白いかもしれない。自動車産業の将来の姿に合致する企業に先行投資する孫氏が、「現実」の自動車企業のビジネスモデルを運営して成り立つのかを見てみたいと思ってしまう。投資とビジネスモデル運用とは違うのだから。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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