トヨタは本気だ! HV特許開放で開発資金回収、さらなる新時代技術開発へ

2019年4月5日 08:34

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モーター(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

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 トヨタは3日、約2万3740件のハイブリッド(HV)など電動車技術について特許を公開すると発表した。無償提供の期限は2030年末までだ。記者会見を行った寺師茂樹社長「特にこれからの10年で一気に(電動車が)普及が加速すれば、電動車が普通の車になっていく」と語っており、今後10年が電動車普及への重要な時期としている。

【こちらも】トヨタ・プリウス販売不振は当然の結果? もはや「HV」で絶対的商品価値は作り出せない

■厳しくなる排気ガス規制

 トヨタ方式HVはハイブリッドとして世界最高性能を示しており、ホンダ方式など後続もリードしてきた。燃費規制が世界でさらに厳しくなる中で、これからは特に中国市場の動向がカギとなってくる。

 中国では、今年からNEV規制が始まり、「中国での販売台数に応じて一定量のEV生産が義務付けられる」こととなった。さらに欧州と中国では「CAFE規制」も始まり、中国では2020年までに「走行距離100キロメートル当たり5リットルにする」平均燃費の実現を迫られている。2015年比3割の改善となる。

 欧州では、二酸化炭素(CO2)排出量規制の目標値を21年に15年比3割近く引き下げ、平均95グラム以下にする。日本式燃費に直すと24.4km/Lとなる。これは、現状のプリウスでも難しい値だ。欧州の評価基準は、日本式JC08の測定よりも実走行に近いのだ。

 こうした規制強化の方向は変わることなく、(Well to Wheel)の問題はともかくも、世界の規制基準は現状のガソリンエンジンの熱効率では達成は難しいと考えられている。つまり純EVといかないまでも、「電動車(HV・PHEV・マイルドHVなど)」の必要性が絶対の条件となりつつあるのだ。現状の石炭発電では、中国でのEV化はむしろCO2の排出量を増やしてしまうのだが、発電を原子力に変えることと引き換えにEV自動車産業育成を中国は決めているのだ。

 しかし、世界ではEVの普及は2030年ごろまでは本格化しないと推計されており、これからしばらくはHVの普及が進むものと考えられている。こうした世界情勢の中で、トヨタはHV開発資金の回収を早め、次なるステップに邁進しているようだ。

■トヨタの狙いは「開発資金」回収

 トヨタのかんばん方式は、フォード生産方式に比較して数千倍とも思われる資金効率で、世界の製造業をけん引してきた。そのトヨタが「開発資金」の回収に鈍感である訳はない。現在100年に1度と言われる改革期に、開発資金の回収遅れは見逃せるはずはない。

 日産もカルロス・ゴーン元会長の時代、独自技術を売りに出していた。EVのバッテリー独自開発も諦め、「専門企業から最新のバッテリーを買えばよい」としていた。しかし現在はバッテリー開発のベンチャー企業に出資しているようだ。

 こうした資金回収は、特許技術で業界を引っ張る力との兼ね合いが難しいようだ。トヨタはこの大変革期に際し、配下の下請けサプライヤーに対して、他メーカーに部品を売り込むように指導してきている。そして蓄えてきたHV技術に関して、2040年ごろまでHVの広がりが世界市場で予測されるこの時期に公開するのは、関連部品供給を進めることと、HVの普及を世界規模にして欧州、中国のEV攻勢に対抗することも視野に入れているためであろう。

 一方で、トヨタはEV技術の大半をすでに持っているものと見てよく、純EV車の発売は「全固体電池」とセットに考えているのであろう。全固体電池の生産が、実用になるEV車を作れる条件であるからだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

関連キーワードトヨタ自動車ハイブリッド車電気自動車中国プリウス全固体電池

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