地に落ちたスバルの組織運用(2)【経営者は現場に立て】とは?

2018年11月18日 17:36

小

中

大

印刷

(c) 123rf

(c) 123rf[写真拡大]

写真の拡大

■スバル経営陣は「品質保証体制」を前提とした組織を理解できていない

 最大の問題は、スバルがディーラーを含めて、組織として「問題を掌握し対策する能力があるのか?」と疑問符が付くことである。データ不正などの問題が発覚した後も不正を続けていたり、弁護士による第三者委員会が調査を終わらせた後にも新たな過去の不正が明るみに出たり、不正そのものをやめなかったりと、企業組織として「ガンバナンス」の問題と言うより、製造業の体裁をなしていない。それは社員が、「第三者委員会の弁護士」に申告しなかった不正の一部事実について、国土交通省の聞き取りでは申告したことで、スバル社内の組織のありようが尋常ではない実態であると示してしまった。

【前回は】: 地に落ちたスバルの組織運用(1) 不正を続ける無頓着 深刻なリコール「直せるのか?」

 そもそも、問題発覚後、弁護士により組織された第三者委員会に調査を依頼することを見ても、『自動車会社は「品質保証体制」を前提とした組織』であると、経営陣が理解できているとはとても考えられない。不良品が出たとき、その原因について即座に【現組織で把握しなければならない】からだ。さらに、「不良調査」が行われている中で、その原因たる行為を続ける状態の製造組織とはいかなるものか?常識では想像することも難しい。拡販・増産に沸く中で「品質保証」の機能を忘れていったと言うよりは、もともと「品質保証体制を取っていなかった体質」と見える。「トヨタのあんどん」を考えれば、品質管理の基礎の基礎として守らなければ成り立たないことなのが分かる。

■【経営者は現場に立て】

 しかし、現在、同質の組織が増えている現実もある。経営陣と社員とがコミュニケーションが取れていない状態では、「品質保証体制」は成り立たないのだ。「何が正しくて、何が間違っているのか?」経営陣が社員に示さねば、経営は成り立たない。だから、スバルは「間違った基準」を経営陣が社員に示し続けてきた、あるいは結果的に放置してきたのであろう。【経営者は現場に立て】を大組織なりに守らねばならない。日産自動車でさえこの体質を感じさせることは、絶望に近い気持ちにさせる。

 この原因が「ファンド体質」にあると断言するのは無理があるが、無関係とも言い切れない。経営陣が「取締役」と「執行役員」に分かれて存在することが、究極の原因と見るのは飛躍であろうか?従来の「使用人兼務役員が正解?」に感じる。企業、社会において株主の支配力が強くなる中、アメリカ式経営陣の捉え方が日本式品質保証体制を破壊しつつあるようにも感じられる。

 スバルはこの状態を、旧経営陣と同じメンバーで解決できると見込めるのか?社長は交代したが「院政」を敷いているとも考えられるメンバーで、問題を捉えることすらできていないのではないのか?問題は、組織の在り方と運用技術だ。調査を弁護士による「第三者委員会」にゆだねた経営陣トップの姿勢を見ると、「組織運用」の概念を知らない恐れがある。すると、現在発覚している問題点以上に、数々の商品が「不安定な品質である可能性」が考えられるのだ。

 組織運用はメンタルなコントロールを含むので、全社的な体質を整えなければならない。社員のモチベーションコントロールも含まれるので、専門家が必要だ。スバルの現経営陣は、訓練を受けてこなかったのかもしれない。急拡大が「原因の全て」と考えないことだ。再発防止は、株主の方向に向いてしまっている経営陣の姿勢を、社員全体に向けることから始めるしかないだろう。「金融知識に偏ったアメリカ式経営陣組織の在り方」を見直してみることだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

関連キーワードトヨタ自動車日産自動車スバル国土交通省リコール(回収・無償修理)

「自動車・二輪車・部品」の写真ニュース

企業・産業の最新ニュース

RSS

もっと見る

主要ニュース

RSS

もっと見る

広告

財経アクセスランキング

広告

SNSツール

RSS

facebook

zaikeishimbun

いいね!

twitter

@zaikei_company

フォロー

google+

Hatena

広告

ピックアップ 注目ニュース