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■事故になっても気づかない?
この状態では、ブレーキ系統に「エアー」が入ってブレーキの利き具合がおかしいと気づくのは難しいかもしれない。ブレーキオイルの点検をしたことのないドライバーも増えていることだろう。ディーラーでも発見できていないと、事故になってからリコールとなるのであろうが、今回も既に事故になってしまっているようだ。
【前回は】【ディーラーの整備は機能しているのか?(2)】 ユーザーの無知・無関心が背景
“これまで142件のトラブルが報告され、うち2件は物損事故で、17年に神奈川県と静岡県で起きた。「ホンダ20万台リコール=ブレーキに問題、事故2件(時事通信)」”
と伝えられているが、ディーラーの整備で発見に至るのが遅すぎる実態がある。
ディーラー整備の定期点検では、この種の問題はメーカーからの通知以外で突き当たることはほとんどないだろう。「ユーザーからどれだけ余計な整備代金が取れるのか」と関心が向いている現在のディーラー整備では、ブレーキオイルの漏れが、個別の車の問題としてだけでなく、原因がリコールに相当すると判断したがらないであろう。ユーザーは自衛したいのだが、自分から整備士に話しても取り合ってもらえない状態だ。無理に問いかければ、この種の不良であると「クレーマー」扱いされてしまうであろう。これは役人と話す以上に厄介だ。
■社会インフラとしてのディーラー整備の責任
これほど社会的に普及している自動車だが、どれほど品質管理が行われても、このような不良が起きる実態を踏まえ、メーカー、ディーラーの油断は許されないと同時に、ユーザーの責任にもなることを考えるべきだ。事故になれば一義的にドライバーの責任になり、「ブレーキの利き具合が緩かった」などと言っても警察が事故現場で聞いてくれることはまずない。ドライバーが泣き寝入りすることになってしまう。いや、現在でも誰も気づかず、ドライバーの責任として処理されてしまっている事故があると思わなければならない。これは恐ろしいことだ。
ディーラーの営業方針が、ユーザーの無知に付け込んで、行き過ぎた「利益優先主義」になっている現状を変えなければ、この種の不良を事故になる前に発見するのは難しい。ユーザー(ドライバー)の責任を自覚させるには、ディーラー整備の在り方を、整備技術に忠実になって本来の姿に戻すことが先決だ。さもないとユーザーの無知が放置され、まわりまわって結局のところ「冤罪」の事故処理となって、品質保証も劣化し続けることになる。社会的責任がメーカーにもディーラーにも、もちろんドライバーにもあることを自覚すべきだ。
オイル交換、添加剤、バッテリー交換、タイヤ交換などの、ディーラー整備からのユーザーに対するアドバイスを、「公正取引委員会」は「事故を未然に防ぐ」目的で介入し、行き過ぎた「虚偽表示」となることを防止し、適正化すべきであろう。それが整備の体質改善を促し、リコール制度を実効性のあるものとする方向に出来る方法論だ。社会に関係する監督官庁は逃げるべきではない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
関連キーワード本田技研工業、公正取引委員会、リコール(回収・無償修理)
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