DNAから見る、絶滅危惧種の蝶コヒョウモンモドキの歴史

2018年3月6日 07:17

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コヒョウモンモドキ成虫。 (画像:京都大学発表資料より)

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 縄文時代から現在までに至る、ある一種の蝶の歴史。コヒョウモンモドキと言う種類の蝶なのだが、それを、京都大学大学院農学研究科の中濵直之博士後期課程学生 (現:東京大学総合文化研究科 日本学術振興会特別研究員 PD)、横浜国立大学環境情報研究院の内田圭産官学連携研究員、神戸大学大学院人間発達環境学研究科の丑丸敦史教授、京都大学大学院農学研究科の井鷺裕司教授らのグループが明らかにした。

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 遺伝子というのは多くの情報を含んでいるものである。ある時期にその種はどれくらいの数が存在していたか、などということも分かる(ちなみに余談であるがこれはヒトについても同じである)。

 さて、コヒョウモンモドキである。環境省レッドリスト絶滅危惧II類(VU)。ユーラシア大陸に広く分布する種だが、日本では絶滅寸前であり、関東から中部にかけての草原地帯を生息地とするが、お分かりのように関東から中部にかけてのひらけた平原で未開発のエリアなどそうあるものではなく、地域によっては既に絶滅しているところもある。

 コヒョウモンモドキは現在でこそ人類文明の手により絶滅に追い込まれかけているが、縄文時代には逆に文明の恩恵を受けて繁栄していたらしい。なぜかというと縄文文明においては森林が破壊され草地は増えていたからである。だが20世紀以降、草地というものは極度に減少している。その結果としてコヒョウモンモドキも絶滅寸前の状況にあるわけである。

 ちなみに日本列島の草地面積は、20世紀初頭には1割ほどであったが、現在では1%程度であるという。

 なお、今回の研究には、古い乾燥標本がDNA採取のためのサンプルとして用いられた。従来ではDNAの劣化が生じるためにサンプルに用いづらいと考えられていたのだが、その有用性に新たな光が当たった形である。

 研究の詳細は英科学誌「Heredity」の電子版に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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