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旭硝子、半導体フォトマスク原版を増産 最先端7ナノの量産を見据えて
EUVマスクブランクス(写真:旭硝子の発表資料より)[写真拡大]
旭硝子は5日、EUV露光用フォトマスクブランクス(EUVマスクブランクス)の供給体制を、グループ会社であるAGCエレクトロニクス において、本年より大幅に増強することを決定したと発表した。
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現在、量産化されている最先端半導体プロセスは、10ナノメートル(ナノは10億分の1メートル)だ。この微細化の先頭を行くのは、TSMC、サムスン、そしてインテルだ。
この10ナノメートルのプロセスで、スマートフォン、クラウドのデータサーバ、人工知能、FPGA(Field Program Gate Array)などの半導体が出荷されている。ポスト10ナノは7ナノメートルだ。さらなる高速化、低消費電力化、高密度化を目指す。
半導体チップの回路パターンを7ナノと微細化するには、現行の光リソグラフィ技術ArF(フッ化アルゴン)に代わり、EUV(Extreme Ultra Violet、波長13.5ナノメートルの極端紫外線)を用いて、露光技術でウエハーに回路を転写する。
●EUVマスクブランクスとは
マスクブランクスとフォトマスクは、半導体の微細で複雑な回路パターンを半導体ウエハーに転写する際の原版となるものだ。
マスクブランクスは、ガラス基板上に遮光性薄膜を形成したものだ。フォトマスク製造は、マスクブランクス上にレジストを形成し、電子ビームで、描画、現像、エッチングを行い、最後にレジストを除去して、回路パターンを形成したフォトマスクができる。
このフォトマスクを用いて、ウエハー上に回路を転写する。
●7ナノ露光(旭硝子、EUVマスクブランクス)のテクノロジー
旭硝子はEUV露光技術で用いられるEUVマスクブランクスの研究開発を、2003年に開始。保有するガラス材料技術、ガラス加工技術、コーティング技術などを統合して、現在では「ガラス材料」から「膜材料」までを一貫して手掛けることができる世界で唯一のEUVマスクブランクスのメーカーという。
7ナノの微細回路を露光するには、ごくごくわずかな傷や異物もない原版を製造する必要がある。7ナノ露光の試作や研究で得たデータから、EUVマスクブランクスの供給体制の増強を判断したのであろう。
旭硝子は具体的な生産量や投資額は開示していないが、7ナノ微細化の先頭集団の意向を踏まえたものと推測する。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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