IT化で増える企業の保存データ量、オンラインストレージの活用も

2017年11月13日 11:13

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記事提供元:エコノミックニュース

自社のもつ顧客情報や過去実績のデータをどのように保存するのか、という点が多くの企業の課題となっている。オンラインストレージの利用はこうしたデータ保存の選択肢のひとつではあるが、セキュリティ対策などクリアすべき課題も多い。

自社のもつ顧客情報や過去実績のデータをどのように保存するのか、という点が多くの企業の課題となっている。オンラインストレージの利用はこうしたデータ保存の選択肢のひとつではあるが、セキュリティ対策などクリアすべき課題も多い。[写真拡大]

 今や多くの企業で無くてはならないものといえるのがIT技術だが、その結果多くの企業が頭を悩ませているのが蓄積されていく膨大なデータをどう保存するか、という点ではないだろうか。

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 情報処理技術の高速化・高機能化に伴い、企業の過去の実績や顧客情報など、その多くが企業のデータベースの中に保存されている。

 そのデータをどのように保存し、活用していくのか、IT技術の進歩はこうした悩みも生み出すこととなっている。

 そんなデータ保存の選択肢のひとつとして考えられるのが「オンラインストレージ」である。これは蓄積されていく様々なデータをインターネット上のサーバに保存するという技術のことだ。有名なところではdropboxやgoogleドライブなどがあり、それぞれ保存できる容量などサービスの内容に違いがある。これまでデータの保存といえばパソコン内部のハードディスクや社内LANに接続されたネットワークドライブなどに保存することが一般的だったが、近年ではファイルサイズの肥大化に伴いデータ保存の方法についても考えが変わってきている。

 社内に設置された物理的なハードディスクの場合は、あくまでも機械である以上は経年劣化のデメリットは免れない。企業にとって財産ともいえる貴重なデータの数々が機械故障という単純な理由で喪失するリスクはどうしてもついて回ることになる。

 そこでデータの保存先として登場したのが、物理的な機械ではなくインターネット上に存在する仮想化された保存先「オンラインストレージ」である。

 オンラインストレージは、いわゆる「クラウド」と呼ばれるものに代表されるように、社内に物理的な機械が存在しないため、経年劣化でデータが失われるリスクはかなり低くなる。データそのものは「データセンター」と呼ばれる別拠点に保存され、バックアップも容易であるというメリットがある。

 もちろんこうしたオンラインストレージの運用にも課題がないわけではない。どうしても自社内とは別の場所にデータが保存されているため、データ流出のリスクがないともいえない。オンラインストレージのサービスを提供するところはどこもセキュリティ対策に力を入れていることをアピールするものの、経営者がその点についての担保がとれなければ実際に利用しようとはなかなか踏み切れないのだ。

 とはいえ、今後もIT技術の進歩が続くのであればオンラインストレージについての技術もそれに伴って進歩していくことになるだろう。

 今はまだ過渡期ともいえる段階だが、将来的にはオンラインストレージが企業のデータ保存において一般的となる時代が到来するといわれている。その時に備えて、自社のデータ保護について何が最適な方法なのか、しっかりと理解を深めておくべきだろう。(編集担当:久保田雄城)

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