日本版GPS目指す準天頂衛星「みちびき2号機」6月1日打ち上げ

2017年5月31日 06:15

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みちびき2号機、軌道上外観図。(画像:三菱重工業、JAXA発表資料より)

みちびき2号機、軌道上外観図。(画像:三菱重工業、JAXA発表資料より)[写真拡大]

 かねてより三菱重工業と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって計画が進められていた、日本独自のGPS(全地球測位システム)の展開を目指す準天頂衛星「みちびき2号機」の打ち上げ日時が2017年6月1日、日本標準時9時17分46秒と正式決定された。

 打ち上げは、鹿児島県の種子島宇宙センターから、H-IIAロケット34号機(H-IIA・F34)によって行われる。気象サイト「ウェザーニュース」によれば6月1日の種子島の予想確率は30%とのことであるが、延期の場合の打ち上げ予備期間は、6月いっぱいまでとなっている。

 そもそも、現在世界的に広く運用されているGPSは、アメリカによるものである。約30基の衛星によって、既に地球全体をカバーしてはいるが、日本の受信者に電波が十分に届かず、位置情報にずれが出る場合もある。

 そこで必要とされたのが、「みちびき」だ。みちびきは、地上へ電波を発信し、正確な情報を測って、情報を提供する、それを目的に開発された衛星である。ちなみにみちびき1号機は2010年9月に打ち上げられており、一部のカーナビゲーションシステム、スマートフォンなどで既に使われており、現在ではJAXAによる運用を終え、2月28日以来、内閣府にその運用が移管されている。

 准天頂衛星というのは、人工衛星の中で、一定の場所の上空に長時間とどまる軌道をとる衛星のことである。みちびきは、基本的には日本の高高度上空に対空し、位置測定を行う。GPSとは、相補的に働きあう。

 ちなみに、今後の予定として、3号機と4号機も年内の打ち上げが計画されており、世界最高レベルのGPS精度の実現が期待される。2020年の東京五輪・パラリンピックにおける交通案内など、多くの分野で活用される見込みだ。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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