ソニー、2026年度第2四半期は営業利益45%増―映画・ゲームがけん引

ソニーグループは2026年度第2四半期に映画・ゲームを中心に増益となり、通期営業利益予想を1兆8700億円へ引き上げた。(Photo by P. L. on Unsplash)[写真拡大]
ソニーグループが11月5日に発表した2026年度第2四半期(7~9月)の連結決算は、営業利益が前年同期比45%増の6223億円となった。映画とゲーム事業が増益をけん引し、通期営業利益予想も1兆8700億円に上方修正した。
イメージセンサー事業は為替の好影響で減収増益となった。カメラ事業では、メモリー価格上昇や販売台数減少に対応し、新製品によるシェア拡大と高付加価値製品への移行を進めている。
■映画・ゲームが連結利益を押し上げ
第2四半期の連結売上高は前年同期比10%増の3兆4294億円だった。営業利益率は前年同期の13.8%から18.1%へ上昇し、ソニーグループ株主に帰属する四半期純利益は44%増の4496億円となった。
映画分野の営業利益は139億円から926億円へ568%増加した。ソニーは「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」の貢献を中心とする劇場興行収入の増加を挙げている。同社発表によると、同作は公開初週末の北米興行収入で3億6000万ドル(約569億円)を記録した。
ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野の営業利益は83%増の2201億円だった。ネットワークサービスと自社制作ゲームソフトの増収に加え、前年同期に計上した一過性損失498億円の反動が寄与した。
前年同期の損失の内訳は、Bungieの無形資産などの減損315億円と、過去に資産計上した開発費の一部に関する訂正費用183億円である。ソニーによると、前年の一過性損失を除いた比較でも営業利益は29%増えた。
音楽分野の営業利益は6%増の1228億円となった。ストリーミングサービスからの収入増加と為替の好影響が増益に寄与した。
■センサー事業は為替が増益に寄与
イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の売上高は前年同期比6%減の5776億円、営業利益は12%増の1546億円だった。ソニーによると、営業利益は四半期として過去最高となった。
減収の中心はモバイル機器向けイメージセンサーで、販売数量が減少した。一方、製品構成の改善と為替が売上高を下支えした。営業利益については、減収の影響を為替の好影響が上回った。
会社が示した営業利益への為替影響は、前年同期比で259億円のプラスだった。営業利益全体の増加額は164億円であり、円換算した業績への為替の寄与が大きい四半期となった。
通期営業利益予想は4200億円から4500億円へ300億円引き上げた。ソニーはコスト減少と為替の好影響を上方修正要因とし、熊本地震の影響も織り込んでいる。売上高予想は2兆1200億円と、従来予想からほぼ横ばいとした。
■カメラは新製品と高付加価値化で対応
カメラ、テレビ、オーディオ製品などを含むエンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野の売上高は、前年同期比79億円、1%減の5678億円だった。営業利益は32億円、5%増の641億円となり、主な増益要因は米国関税の還付だった。
ソニーは、イメージング事業では中国市場の減速などにより厳しい状況が続いたと説明した。そのなかで、新製品を軸とするシェア拡大と高付加価値製品への移行により、メモリーコスト上昇や販売台数減少が利益に与える影響を抑えたとしている。
国内で2025年12月19日に発売した「α7 V」は、有効約3300万画素のフルサイズ部分積層型Exmor RS CMOSセンサーを搭載する。画像処理エンジン「BIONZ XR2」にAI処理機能を統合し、最大759点の位相差AF測距点を備える。
同社の仕様では、電子シャッター使用時に14ビットRAWで最高約30コマ/秒のAF・AE追随連写に対応し、速度は撮影条件や装着レンズによって変わる。カメラ記者クラブ主催の「カメラグランプリ2026」では大賞を受賞し、選考理由では連写性能や被写体認識AF、静止画・動画の総合力が評価された。
国内で2026年6月5日に発売した「α7R VI」は、有効約6680万画素のフルサイズ積層型Exmor RS CMOSセンサーとBIONZ XR2を搭載する。電子シャッター使用時に最高約30コマ/秒の連写に対応し、8K 30p動画も記録できる。8K記録時には画角が狭くなる。
α7R VIの国内価格はオープンで、デジカメ Watchによると、発表時の市場推定価格は税込74万円前後だった。米国での発表価格は4499.99ドル(約71万1000円)である。Y.M.Cinemaは7月21日、同機がAmazonのミラーレスカメラ新着ランキングで首位になったと報じた。
■国内販売シェアとメモリー需給の動向
BCN AWARD 2026は、2025年1~12月の販売数量を対象とした賞である。ミラーレス一眼部門ではソニーが3年連続、通算6回目の首位となった。デジカメライフが紹介した集計値では、ソニーが29.9%、キヤノンが27.4%、ニコンが15.1%だった。
集計はBCNが収集する協力販売店のPOSデータに基づく。小売店での実売動向を示すデータであり、ソニーはこの販売基盤に、2025年末から2026年に発売したα7 Vやα7R VIを加えている。両機は既存のEマウントレンズを利用でき、高画素や高速連写を求める撮影者の選択肢を広げる。
メモリー市場について、調査会社TrendForceは7月時点で、AI関連需要の拡大と供給能力の増強が限られることを背景に、2026年のNANDフラッシュ供給が需要を4~5%下回ると推計した。一方、2027年は供給の伸びが需要の伸びを上回り、同年後半に供給制約が緩和するとの見通しを示している。
ウォール・ストリート・ジャーナルが1月に報じたTrendForceの推計では、2026年に生産される高性能メモリーチップの70%超を、従来型とAI向けを合わせたデータセンターが消費する見込みだった。AI向けの設備投資は、民生機器も利用するメモリーの需給に影響している。
ロイターによると、SK hynixのクァク・ノジョンCEOは7月10日のインタビューで、2027年は供給面で業界史上最も厳しい年になると予想した。また、顧客需要が同社の供給能力を上回る状態は2030年を超えて続くとの見通しを述べた。
■レンズ事業ではタムロンへの買収提案
カメラシステムの競争力には、ボディやセンサーに加えて交換レンズの選択肢も関わる。ソニー自身のG Masterシリーズに加え、タムロン、シグマ、トキナーなどもEマウント向けレンズを供給している。
タムロンは7月30日、ソニー株式会社から、ソニーグループの完全子会社となるための法的拘束力のない提案を受領していると公表した。特別委員会を設置し、企業価値向上に向けた選択肢を検討するとした。買収規模を約2000億円とする情報は、ダイヤモンド・オンラインの報道によるものだ。
タムロンが公表した6月末時点の株主情報では、ソニーグループの保有株式は2503万8000株で、自己株式を除いた持株比率は15.35%だった。一方、トレーダーズ・ウェブによると、エフィッシモ・キャピタル・マネジメントは4月提出の変更報告書で、3月31日時点の保有割合を17.38%と報告している。
タムロンは自社ブランドの交換レンズとOEM製品を手掛ける。傘下に入れば、ソニーにとってレンズ開発・製造の基盤を広げる機会となる。MONOistによると、ソニーグループの陶琳CFOは7月の決算説明で、提案はタムロンの企業価値向上とソニーのイメージング関連事業の発展につながるとの考えを示した。
タムロンの2026年1~6月の写真関連事業は、売上高が前年同期比8.2%減の275億3400万円、営業利益が29.3%減の59億4300万円だった。同社によると、自社ブランド製品は増収となった一方、OEM製品では一部受注機種の販売低迷が続いた。
■通期営業利益は1兆8700億円を予想
ソニーは2026年度通期の営業利益予想を、7月時点の1兆7200億円から1兆8700億円へ引き上げた。上方修正額は1500億円、従来予想比では9%の増額となる。2025年度実績の1兆4475億円に対しては約29%の増益を見込む。
通期売上高予想は13兆円、ソニーグループ株主に帰属する純利益予想は従来比1200億円増の1兆3300億円とした。営業利益率は前年度の11.6%から14.4%へ上昇する見通しである。
分野別の通期営業利益予想は、映画を500億円、G&NSを400億円、I&SSを300億円、音楽を250億円引き上げた。ET&Sは売上高2兆2500億円、営業利益1500億円の予想を据え置いた。下期の為替前提は1ドル=153円前後で、第2四半期の平均159.3円に対して円高を想定している。
元記事: Sony Q2 2026: AI Memory Shortage Stalls Rivals’ Cameras While Boosting Sony’s Margins
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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