トランプ氏のロシア産ディーゼル合意、「法的疑問」で米議員が調査準備 大手6行・港湾に記録保全を要求

2026年10月29日 11:18

印刷

記事提供元:International Business Times

米民主党が、トランプ大統領によるロシア産ディーゼル燃料の世界市場への供給合意について、議会調査に向けた準備を進めている。写真は2018年の会談で握手を交わすトランプ大統領とプーチン大統領(By The White House from Washington, DC - President Trump & the First Lady's Trip to Europe, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=79552658)

米民主党が、トランプ大統領によるロシア産ディーゼル燃料の世界市場への供給合意について、議会調査に向けた準備を進めている。写真は2018年の会談で握手を交わすトランプ大統領とプーチン大統領(By The White House from Washington, DC - President Trump & the First Lady's Trip to Europe, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=79552658)[写真拡大]

 米民主党が、トランプ大統領によるロシア産ディーゼル燃料の世界市場への供給合意について、議会調査に向けた準備を進めている。大手銀行や港湾当局に対し、取引の可能性に関連する記録を保全するよう求めた。

 この要請は、調査がホワイトハウスにとどまらず、ロシア産燃料の輸送に関与し得る金融機関や港湾にまで及ぶ可能性を示している。民主党は、11月の中間選挙で上下両院のいずれかの多数派を奪還した場合、この取り決めの調査を優先課題にするとしている。

■大手6行と4港湾当局に書簡

 米ニュースサイトのアクシオスが入手した書簡で、議員7人は、ロシア産ディーゼルを米国に輸入することは法的な疑問を生じさせ、訴訟や議会調査につながる可能性があると警告した。また、政権が最近発出した制裁の適用除外措置に基づくロシア産ディーゼルの取引に協力しないよう、送付先に求めた。

 書簡は10月24日付で、上院外交委員会の民主党筆頭理事を務めるジーン・シャヒーン上院議員が主導した。民主党のロン・ワイデン、エリザベス・ウォーレン、クリス・クーンズ、シェルドン・ホワイトハウスの各上院議員とグレゴリー・ミークス下院議員に加え、共和党のトム・ティリス上院議員も署名した。

 送付先は、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーの大手6行と、テキサス州のヒューストン、ボーモント、コーパスクリスティの各港湾当局、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社である。

 議員らは、ロシア産ディーゼルの取引案件や実際の取引に関わる契約書、発注書、請求書、船積書類、船舶記録、通関書類、支払記録を保存するよう求めた。供給業者、海運会社、仲介業者、米政府当局者とのやり取りの記録も対象とした。保全措置の実施については、10月28日までに書面で確認するよう求めている。

■2022年の輸入禁止法との整合性が争点に

 トランプ氏は10月9日、世界的なディーゼル不足と燃料価格の上昇への対応を図るなか、ロシアとの合意を発表した。米財務省は同日、ロシア産ディーゼルの販売を可能にする制裁の適用除外措置を発出した。トランプ氏は、この取り決めによって価格が下がると述べている。

 議員らは、米国への輸入は、ロシア産の石油、ガス、石油製品の国内流入を原則として禁じる2022年の超党派法と矛盾すると主張している。書簡によると、同法が輸入を認めるのは、議会との協議期間を経たうえで、ウクライナと北大西洋条約機構(NATO)に対するロシアの行動について大統領が認定を行った場合に限られる。

 議員らはまた、ロシア産ディーゼルの購入が、ウクライナに対するロシアの戦争の資金源になり得ると訴えた。

 これに対し財務省は、合意は合法だとの立場を維持している。アクシオスによると、ホワイトハウスのテイラー・ロジャーズ報道官は、民主党には「米国民の生活を改善するための政策課題がない」と述べ、今後もトランプ氏への調査を続けるだけだとして、議員らの動きを一蹴した。

■実際の到着量は不透明

 現時点では、ロシア産ディーゼルがどの程度米国に到着するのか、そもそも到着するのかも明らかになっていない。海運関連の報道では、米国を仕向け地として示したタンカーが確認されているが、船舶が申告した仕向け地は入港前に変更される可能性がある。

※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

関連キーワード