サムスンの2nm歩留まりが60%に接近 顧客獲得へ電力当たり性能を検証

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サムスン電子(Samsung Electronics)の半導体受託製造部門で、第1世代2nm工程「SF2」の歩留まりが約60%に近づいた。ChosunBizが2026年9月29日、業界関係者の話として報じた。Samsungは見込み顧客と、チップを製品に組み込んだ際の消費電力や発熱の確認を進めている。
SF2を用いたモバイルプロセッサ「Exynos 2600」について、ChosunBizは、同じ作業でQualcommのSnapdragon搭載製品より消費電力が大きかったとする一部の海外テストを紹介した。製品の電力当たり性能には、製造工程に加え、回路設計や動作条件も関わる。顧客の採用判断には、歩留まりと製品での性能の双方が重要になる。
■歩留まり改善と次世代工程
ChosunBizによると、SF2の歩留まりは2025年半ばの30%台から2026年1月に50%台、同年8月に約55%へ上昇し、9月下旬には約60%に達したとされる。歩留まりは製造したチップのうち良品として得られる割合で、製造コストや供給量を左右する。ただし、Samsungは今回の約60%という数値や、その測定条件を公表していない。
SF2は、電流が流れる部分をゲート電極で囲むGAA(ゲート・オール・アラウンド)構造を採用する。Samsungは2022年に3nm工程でGAAの量産を始め、SF2にも展開した。Exynos 2600は、Samsungが公表したSF2採用製品の一つだ。
Samsungは第2世代2nm工程「SF2P」の展開も進める。同社の2026年第2四半期決算発表では、同年後半にSF2Pを用いる新たなモバイル製品の生産を増やす方針を示した。ChosunBizは、SF2Pについて、SF2比で性能が12%高く、消費電力が25%、チップ面積が8%小さくなる見込みだと報じている。
■消費電力と放熱を製品で確認
Samsungによると、Exynos 2600には放熱経路を改善する「Heat Path Block」を採用している。同社の製品資料は、この構造によって熱抵抗を最大16%下げるとしている。熱を外へ逃がす工夫と消費電力の低減は、いずれもモバイル製品の持続的な性能に関わる。
ChosunBizは、Samsungが見込み顧客との協議を通じ、製品に搭載した際の発熱や電力当たり性能の安定性を点検していると報じた。チップの設計と製造工程を一体で調整する「設計・製造技術協調最適化(DTCO)」も、次世代工程の改善に用いられる手法だ。
半導体業界の関係者はChosunBizに対し、歩留まりの約60%への接近と電力当たり性能の改善着手を、回復に向けた意味のある動きと評価した。一方、同氏はTSMCとの市場シェアの差を踏まえ、市場構図が変わるには時間がかかるとの見方も示した。
■Tesla契約と顧客獲得の行方
Samsungが開示したTeslaとの半導体受託製造契約は、2025年7月から2033年12月末までを対象とし、契約額は22兆7648億ウォンに上る。契約発表当時の換算額は約165億4000万ドル(約2兆5968億円、1ドル=157円換算)だった。Teslaのイーロン・マスク最高経営責任者は、米テキサス州テイラーのSamsung工場で次世代チップ「AI6」を製造すると表明している。
Samsungのファウンドリー事業を率いる韓晋万氏は2026年3月の株主総会で、テイラー工場におけるTesla向け次世代チップの量産を2027年後半に始める予定だと説明した。契約の規模と量産計画は、同工場の稼働と2nm工程の安定化を考えるうえで重要な材料となる。
受託製造の競争では、TSMCの生産能力も焦点だ。ChosunBizは、同社の2nm生産能力は2028年まで予約で埋まっているとの業界の見方を伝えた。Qualcommの幹部クリス・パトリック氏も2026年9月、将来の製品に向けてSamsungの2nm工程を評価していると説明しており、歩留まりの改善を継続しながら、顧客が求める性能を量産品で示せるかが問われる。
元記事: Samsung Foundry 2nm Yield Hits 60%; Chips Still Drain More Power Than Snapdragon
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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