ダチア、小型EV新型「スプリング」をフランスで受注開始 1万7900ユーロから、購入支援は条件付き

(Dacia.com)[写真拡大]
ダチアは9月8日、全面刷新した小型電気自動車(EV)「スプリング」をフランスで発表し、受注を開始した。価格は1万7900ユーロ(約320万円、1ドル=154円換算)から。スロベニアで生産される新型は、フランスの購入支援策について、車両の環境スコアや購入者の所得など所定の条件を満たした場合、3620~6180ユーロの支援を受けられるとしている。
■スロベニア生産に移行
新型スプリングは、ルノー・グループのスロベニア・ノボ・メスト工場で生産される。中国で生産されていた先代とは生産体制を改め、ルノー・グループの小型EV向け新プラットフォーム「RG-EV Small」を採用した。
フランスのEV購入支援策「クー・ド・プース」は、車両価格や重量に加え、製造・輸送時の環境負荷を反映した環境スコアなどを要件としている。支援額は一律ではなく、購入者の所得区分、車両とバッテリーの生産地、支援を提供する事業者の条件などによって変わる。
ダチアがフランス向け価格として示した支援額は3620~6180ユーロで、Expressionに最大額を適用した場合の計算上の負担額は1万1720ユーロとなる。ただし、支援の適用と金額は請求時点の制度、環境スコアへの適合、購入者側の条件などに左右される。
フランス向けの車両価格は、Expressionが1万7900ユーロ、上級仕様のJourneyが1万9400ユーロで、いずれも購入支援適用前の金額である。エアコンは全グレードに標準装備される。
先代スプリングは2021年の発売以来、欧州を中心とする40カ国以上で累計21万台超を販売した。一方、フランスでは環境スコアが購入支援の要件に追加された後、中国生産モデルが対象車から外れていた。中国製バッテリーEVには、2024年から欧州連合の相殺関税も適用されている。
■新型トゥインゴと基盤を共有
新型スプリングは、ルノーの新型「トゥインゴ E-Tech エレクトリック」と同じ小型EV向けプラットフォームを利用する。ダチアによると、ルノー・グループが導入した新たな開発手法により、車両の開発期間を2年未満に短縮した。
両車は基本となるアーキテクチャーを共有する一方、スプリングはダチア独自の外装や内装を採用した。外観は直線を生かした幾何学的なデザインで、ボディカラーはアガベ、グリ・シスト、ノワール・エトワール、ブラン・グラシエの4色を設定する。
ボディーサイズは全長3.85m、全幅1.74mで、先代より全長が15cm、全幅が18cm拡大した。4人乗りの構成を維持しながら室内空間を広げ、荷室容量は337Lを確保する。後席を倒した場合は最大1283Lまで広がり、ボンネット下には容量18Lの収納スペースもオプションで用意される。
■航続距離は最大250km
パワートレインは、最高出力60kW、最大トルク175Nmの電気モーターと、実用容量27.5kWhのリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーで構成する。前輪を駆動し、0~100km/h加速は12.1秒、最高速度は130km/hとなる。
WLTP複合モードの航続距離は最大250km、電力消費率は12.7kWh/100kmとダチアは発表している。実際の航続距離は気温、速度、空調の使用状況、道路環境などによって変化する。
ダチアが車両の接続データから集計したところ、先代スプリングの利用者は平均で1日34kmを走行し、75%は自宅で充電しているという。新型も長距離走行性能を優先するのではなく、日常の通勤や市街地での利用を主眼に置いて設計された。
LFPバッテリーは、正極材に鉄とリンを使用し、ニッケルやコバルトを使用しない電池方式である。新型スプリングでは液冷式バッテリー温度管理システムやヒートポンプを採用せず、車両価格と重量を抑える構成とした。回生ブレーキを強めるBモードは備えるが、完全停止までアクセル操作だけで行うワンペダル走行には対応しない。
■DC急速充電はJourneyのオプション
標準の車載充電器は最大6.6kWのAC充電に対応する。バッテリー残量15%から80%までの充電時間は、一般的な家庭用コンセントで約9時間、強化型コンセントで約5時間40分、7kWのウォールボックスで約2時間55分とされている。
Journeyでは、500ユーロ(約8万9000円)の急速充電パックを選択できる。最大11kWのAC充電と最大50kWのDC急速充電に対応し、DC充電器を使った場合は15%から80%まで約28分、三相11kWのウォールボックスまたは22kW対応充電器では約1時間55分となる。
同パックの装着車は、別売りのアダプターを介して車載バッテリーから外部機器に給電するV2Lにも対応する。DC急速充電は標準装備ではなく、Expressionでは選択できないため、自宅充電を利用できない購入者や長距離を走る利用者はグレードとオプションを確認する必要がある。
■装備を絞った2グレード構成
Expressionは、7インチのデジタルメーターとスマートフォンを利用する「Media Control」を標準装備する。スマートフォンをダッシュボード上部のホルダーに設置し、対応するメディア機能や通話機能などをステアリングスイッチから操作できる。新型ではスマートフォンの縦向き表示にも対応した。
Journeyは10.1インチのタッチスクリーンを備える「Media Nav Live」、バックカメラ、ハンズフリーカードなどを標準装備する。Apple CarPlayとAndroid Autoによるワイヤレス接続に加え、交通情報を利用するコネクテッドナビゲーションにも対応する。
ホイールはExpressionが15インチ、Journeyが16インチとなる。全グレードに7インチデジタルメーター、エアコン、電動パーキングブレーキ、後方パーキングセンサーなどを標準装備する。
■購入支援を含む価格が競争力を左右
欧州の小型EV市場では、シトロエン ë-C3、ルノー 5 E-Tech エレクトリック、ヒョンデ・インスター、リープモーター T03、BYDドルフィン・サーフなどが販売されている。今後はフォルクスワーゲンも、2万ユーロ前後を目標価格とする小型EVを投入する方針を示している。
新型スプリングは、購入支援適用前でも全グレードを2万ユーロ未満に設定した。フランスでは、購入者と車両が条件を満たせば支援によって負
元記事: Dacia Spring 2 Opens Orders: Slovenian Build Makes it Europe’s Cheapest Subsidized EV
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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