アンソロピックIPOに暗雲、ハイテク株急落で評価額1.5兆ドルに投資家が難色

2026年11月7日 12:04

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記事提供元:International Business Times

人工知能(AI)開発大手のアンソロピックが計画する株式上場が、投資家の購入が始まる前から難航している。(Photo by Maxim Hopman on Unsplash)

人工知能(AI)開発大手のアンソロピックが計画する株式上場が、投資家の購入が始まる前から難航している。(Photo by Maxim Hopman on Unsplash)[写真拡大]

 人工知能(AI)開発大手のアンソロピックが計画する株式上場が、投資家の購入が始まる前から難航している。同社は11月の上場に向けて準備を進めており、評価額は約1兆5000億ドル(約237兆円)に達する可能性があったが、一部の潜在的な投資家はこの水準が妥当かどうか疑問視している。

 懸念が強まったきっかけは、ハイテク株の急落だ。とりわけ中間選挙後の下げが大きかった。投資家はアンソロピックの巨額の支出契約や売上高の伸びのペースにも疑問を示している。

■ロードショー開始は不透明に

 投資家との協議に詳しい4人の関係者がロイター通信に語ったところによると、同社は来週に予定していた投資家向けロードショーを開始できない可能性がある。一部の投資家は、株式の購入を決める前に評価額を引き下げるよう求めている。

 ロードショーは9日の週に始まり、翌週に売り出し価格が決まる見通しだった。アンソロピックは延期を発表しておらず、投資家の懸念についてはコメントを控えた。

 同社のIPO評価額は、かつて最大2兆ドル(約316兆円)とされていた。その後約1兆5000億ドルまで下がったが、この水準でも、参加が見込まれる一部の投資家には受け入れられていない。

 3人の潜在的な投資家はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、価格はさらに下がる必要があるかもしれないと述べた。1人は1兆ドル(約158兆円)に近い評価額を示した。別の1人は、売り出す株式数を減らし、調達額をこれまで議論されてきた1000億ドル(約15兆8000億円)ではなく約800億ドル(約12兆6000億円)にする可能性を挙げた。評価額も調達額もまだ決まっていない。

■10月の売上高に注目

 投資家が待っている数字はほかにもある。10月の売上高だ。協議に詳しい2人の関係者がロイターに語ったところでは、アンソロピックは最新の修正版登録届出書でこの数字を空欄にしていた。投資家は、ここ数カ月で鈍化した成長が持ち直したかどうかを知りたがっている。

 同社が11月2日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した書類からは、事業が急拡大している一方、AIの最先端で競い続けるための費用も膨らんでいることがわかる。

 アンソロピックの2026年1〜9月期の売上高は332億ドル(約5兆2500億円)で、前年同期比1206%増だった。第3四半期(7〜9月)の売上高は約170億ドル(約2兆6900億円)に達した。

 ただ、対話型AI「Claude(クロード)」を開発する同社は赤字が続いている。第3四半期の純損失は233億ドル(約3兆6800億円)、1〜9月期の純損失は1040億ドル(約16兆4000億円)だった。1〜9月期の純損失の大半は、通常の営業費用ではなく、金融商品の価値に関する会計上の調整によるものだ。

■計算資源の契約は約8954億ドル

 同社はまた、主に計算資源やインフラに関する約8954億ドル(約141兆円)の契約を開示した。2030年代まで続く契約も含まれる。このうち70億ドル弱ではなく、約700億ドル(約11兆1000億円)弱が9月30日から12カ月以内に支払期限を迎える。

 これらの契約額は、アンソロピックがすでに支出した資金ではない。AIモデルの学習と運用に必要な計算サービスやインフラなど、将来の契約上の義務を示している。

 この区別は重要だ。アンソロピックの急拡大は膨大な計算能力の確保にかかっているが、AI企業がその支出をどれだけ早く持続的な利益に結びつけられるのか、投資家は疑問を強めている。

■市場は巨額投資に厳しい目

 ここ数週間、市場はこうした支出に以前ほど寛容ではなくなった。5日の急落でナスダック総合指数は5%超下落し、半導体企業とAIインフラ関連企業が特に大きく売られた。S&P1500種株価指数の構成銘柄では、50を超えるハイテク株が10%以上下落した。コアウィーブ、ネビウス、アイレン(IREN)の下げは特に大きかった。

 3社はいずれも、AI向け計算インフラの急速な建設と深く結びついている。データセンター建設に必要な巨額の借り入れと投資を投資家が見直すなか、3社の株価はこの1カ月で大きく下落した。

 政治情勢も不安を強めている。3日の中間選挙で民主党が大勝し、AIインフラに新たな規制がかかる可能性が意識されている。複数の州では、有権者がデータセンター開発を制限する地域の住民投票案を支持した。

 アンソロピックの修正版IPO届出書には、売り出す株式数も想定売り出し価格帯もまだ記されていない。どちらも、同社が調達できる金額や、投資家が提示された評価額を受け入れるかを左右する重要な要素になる。

 同社は、ナスダック・グローバル・セレクト・マーケットにティッカーシンボル「ANT」で上場する計画を示している。ただ、来週に始まるとみられていたロードショーを前に、投資家がいくらなら払うのかはまだ議論が続いている。

※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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