ボルボ、NVIDIAとの自動運転技術で協業拡大 次世代車にHyperionなど採用へ

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ボルボ・カーズは2026年10月15日、NVIDIAとの協業を拡大し、次世代車に新たな自動運転技術を採用すると発表した。高速道路、市街地、駐車場などでの走行を視野に入れ、運転者が道路から視線を外せる「アイズオフ」と、運転の監視から離れられる「マインドオフ」の機能を段階的に導入する方針だ。最初に搭載する車種や機能別の提供時期は示していない。
■次世代車に組み込む3つの技術
今回の協業には、センサーと車載計算機の構成を定める「NVIDIA Hyperion」、安全性を支える「NVIDIA Halos OS」、運転ソフトウェアの「NVIDIA Alpamayo Stack」が含まれる。両社の協業は2017年に始まり、現行のボルボの電気自動車にもNVIDIA製の車載計算技術が使われている。
ボルボは、次世代車で同社の車両安全システムとNVIDIAの技術を組み合わせる。対象として挙げるのは、高速道路に加え、交通量の多い市街地や駐車場を含む走行だ。日本法人も10月16日に国内向けの日本語発表を公開したが、日本での対象車種、提供時期、価格は示していない。
ボルボのソフトウェア開発責任者アルウィン・バッケネス氏はTechCrunchに、最初の搭載車は2020年代中に登場するとの見通しを語った。これは新しい技術構成を載せる車両についての説明であり、レベル3機能の提供日を示すものではない。同氏によると、ボルボは電気自動車だけでなく、プラグインハイブリッド車やガソリン車も見据えて技術構成の共通化を進めている。
■アイズオフとマインドオフの違い
レベル3の条件付き自動運転では、定められた走行条件下でシステムが運転を担い、運転者は道路の常時監視から離れられる。一方、システムが引き継ぎを求めた場合には、運転者が運転操作に戻る必要がある。利用できる道路や速度などの条件は、車両と認可の内容によって異なる。
レベル4では、設定された運行設計領域の範囲内で、システムが運転と必要な対応を担う。運行設計領域とは、道路、地域、天候など、その機能が作動する条件を定めたものだ。Waymoが米国で運行する無人ロボタクシーは、レベル4の利用例に当たる。
日本ではHondaが2021年、レベル3に適合する「トラフィックジャムパイロット」を搭載した「レジェンド」を発売した。高速道路の渋滞時などに使う機能で、販売計画は100台、提供方法はリースに限られていた。ボルボの新技術も、機能ごとに作動条件と各市場での認可が重要になる。
■Hyperion、Halos、Alpamayoの役割
NVIDIAが公開するHyperionの標準的な構成には、カメラ14基、レーダー9基、LiDAR1基、超音波センサー12基と、2台のDRIVE AGX Thor車載計算機が含まれる。これはプラットフォームの構成例であり、ボルボの次世代車の搭載数を確定した仕様ではない。センサーの情報を処理し、周囲の状況把握に使う。
Halosは車載OS、安全設計、検証手法などを組み合わせた枠組みだ。NVIDIAによると、基盤となるDriveOS 6.0は自動車の機能安全規格ISO 26262のASIL Dに適合する認証を受け、同社の車載開発プロセスはサイバーセキュリティ規格ISO/SAE 21434の認証を受けた。これらは構成要素や開発プロセスの評価であり、個々の完成車の型式認可とは段階が異なる。
Alpamayoは、周囲の映像などを基に走行の判断と軌道を生成するAIモデルや開発ツールを含む。NVIDIAは2026年1月に約100億パラメーターのモデルを公開し、3月にはナビゲーション情報や利用者の質問にも対応するAlpamayo 1.5を提供した。判断に関する文章と走行軌道を出力する設計は、開発者がモデルの振る舞いを調べる手掛かりになる。
NVIDIAの車載事業責任者アリ・カニ氏はTechCrunchに、AIを使うソフトウェアと従来型の処理を並行して動かし、複数種類のセンサーを組み合わせると説明した。同氏によると、オープンに提供するAlpamayoのソフトウェアは65万人を超える開発者にダウンロードされた。モデルの公開は各社の開発を支えるが、車両への採用や更新はそれぞれのメーカーが進める。
■各社の開発状況
Mercedes-Benzは2026年の改良型Sクラスなどで、レベル3の「DRIVE PILOT」の提供を見送った。同社は10月16日、NVIDIAとの提携を拡大し、Hyperion、Alpamayo Stack、Halosを活用して次世代の運転支援・自動運転システムを共同開発すると発表した。最高技術責任者のイェルク・ブルツァー氏は、NVIDIAを自動運転における最も重要な戦略的パートナーと位置付けた。
BMWは2026年の改良型7シリーズに、運転者が道路を監視しながら高速道路でハンドルから手を離せるレベル2の支援機能を採用した。従来の7シリーズには、ドイツ向けにレベル3機能を6000ユーロ(約107万円)で設定していた。Stellantisのレベル3技術「STLA AutoDrive」については、ロイター通信が2025年8月、費用や技術面の課題、需要への懸念から投入計画が棚上げされたと報じた。同社はロイター通信に、当時の需要は限定的だが技術は投入可能な状態にあると説明している。
NVIDIAは2026年3月、BYD、Geely、いすゞ、日産がHyperionを使ってレベル4対応車両を開発すると発表した。同じ発表で、Uberと協力するロボタクシー事業を2028年までに28市場へ広げ、2027年前半にロサンゼルスとサンフランシスコから始める計画も示した。
■Geely傘下のボルボと車両データ
ボルボ・カーズの株式の過半数は中国の浙江吉利控股集団が保有する。中国の国家情報法第7条は、組織と国民に国家情報活動への支援、協力などを求めている。一方、車両データの管理は、利用する国、提供するサービス、データを扱う法人によって具体的な仕組みが決まる。
ボルボは市場ごとに車両データのプライバシー通知を公開している。新たな自動運転技術については、車載センサーの情報を何の目的で保存・送信し、どの法人が扱うかが利用者に関わる情報となる。Hyperionの標準構成に含まれるセンサーの数から、ボルボ車が全データを継続的に記録・送信すると判断することはできない。
米商務省は2025年、コネクテッドカーに使う中国・ロシア関連の対象ソフトウェアについて2027年モデルから、対象の通信機器について2030年モデルから制限する規則を確定した。ブルームバーグによると、ボルボは2026年5月、米国でコネクテッドカーの輸入と販売を続けるための個別認可を商務省から得た。米国での販売を巡る規制対応と、今後のボルボ車におけるデータの扱いは、別々に確認すべき事項だ。
■導入時期と市場ごとの展開
ボルボは最初の搭載車を次世代モデルと説明しており、車名は公表していない。既に発表されている電気SUV「EX60」が新技術の最初の搭載車になるという発表もない。アイズオフやマインドオフを日本でいつ提供するかについても、10月16日の国内発表に記載はない。
他社では、GMが2028年に米国で「キャデラック エスカレードIQ」からアイズオフ運転を導入し、まず高速道路で提供する計画を発表している。Fordも2028年のアイズオフ機能導入を掲げる。同社が2027年の発売を予定する電動ピックアップトラック「Fathom」の米国向け開始価格は、2026年10月時点で2万8350ドル(約448万円)と案内されている。
ボルボの計画は、既存の運転支援から、運転者の監視負担を段階的に減らす技術へ広げるものだ。今後の車種発表では、搭載するセンサーとソフトウェアの構成に加え、各機能が使える条件や市場ごとの提供時期が焦点になる。
元記事: Volvo Adopts Nvidia’s Sensor-Dense Platform While Owner Geely Faces Chinese Intelligence Laws
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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