OpenAIの年換算売上高は約500億ドル 700億ドル報道との違いを読み解く

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OpenAIの年換算売上高を巡り、2026年9月末時点の約500億ドル(約7兆9000億円)と、9月に報じられた約700億ドル(約11兆1000億円)との差が注目されている。背景には、クラウド経由の販売を売上高に総額で含めるか、純額で計上するかという違いがある。競合Anthropicと事業規模を比較する際には、数字そのものだけでなく計上基準をそろえて見る必要がある。
■500億ドルと700億ドル、差は計上方法
Financial Timesは、OpenAIが投資家に示した資料を基に、9月末の年換算売上高が500億ドル(約7兆9000億円)に近づいたと報じた。OpenAIもその後、現在の年換算売上高は約500億ドルであり、700億ドルに達したとする報道は正確ではなかったと説明した。
一方、Axiosは9月29日、関係者の話として年換算売上高が700億ドルに近づいたと報じていた。同社の10月8日の続報によると、この数字は、投資家が競合Anthropicとの比較を試みるため、OpenAIの売上高を総額ベースに引き直した推計に由来する。
年換算売上高は、直近の収益水準を1年分に換算した指標で、実際の年間決算の売上高とは異なる。OpenAIは2026年第3四半期に、この指標が70%超伸びたとしている。
■クラウド経由の販売で異なる売上高の計上
米国の収益認識基準ASC 606では、企業が顧客への財・サービスの提供を支配する「本人」か、提供を仲介する「代理人」かに応じて、売上高を総額または純額で表示する。判断には、提供への責任や価格設定など、個々の契約条件が関わる。
Semaforによると、クラウド事業者を通じて販売したAI利用分について、OpenAIは自社の取り分を、Anthropicは顧客が支払った総額を売上高に計上している。同誌が関係者に取材した例では、顧客が1ドル(約158円)分を購入した場合、OpenAIが売上高として計上するのは約20セント(約31.6円)だ。取り分は提携契約によって変わる。
Anthropicはクラウド事業者への支払いを費用として扱う。Semaforは2026年4月、OpenAIが当時の年換算売上高を総額方式で示せば、純額方式より最大80億ドル(約1兆2600億円)大きくなると報じた。これは同時期のOpenAIの数字を総額ベースに引き直した推計であり、両社の売上高の差そのものを示す数字ではない。
Bloombergによると、Anthropicの2026年7月末の年換算売上高は650億ドル(約10兆3000億円)を超えた。OpenAIの9月末の約500億ドル(約7兆9000億円)とは時点に加え、クラウド販売の計上方法も異なるため、単純比較はできない。
■OpenAIの売上高は急拡大
OpenAIの最高財務責任者サラ・フライアー氏は2026年1月、2025年末の年換算経常収益が200億ドル(約3兆1600億円)を超えたと公表した。The Informationは2月末時点で年換算売上高が250億ドル(約3兆9500億円)を超えたと報じている。
Bloombergは8月、OpenAIの年換算売上高が400億ドル(約6兆3200億円)を超え、コーディング製品や有料契約、広告事業が伸びていると報じた。一方、Financial Timesは、当時報じられた400億ドルの数字にも総額ベースへの換算が関わっていたと伝えている。時系列で成長率を比較する場合も、各数字が同じ基準で算出されているかを確認する必要がある。
OpenAIは3月、1220億ドル(約19兆3000億円)の資金調達を発表し、調達後の評価額を8520億ドル(約135兆円)とした。Bloombergは9月、同社が少なくとも300億ドル(約4兆7400億円)を調達する新たなラウンドについて、約1兆4000億ドル(約221兆円)の評価額を目指していると報じた。資金調達の交渉では、売上高の伸びだけでなく、その算定基準も企業価値の評価に関わる。
■上場計画と巨額の計算資源投資
AP通信によると、OpenAIは2026年5月下旬、新規株式公開に向けた登録届出書の草案を米証券取引委員会へ非公開で提出した。その後、サム・アルトマン最高経営責任者は9月のインタビューで、AIの安全性に関する課題を挙げ、2026年の上場は時期尚早だと述べた。
Financial Timesが投資家向け資料を基に報じたOpenAIの売上高見通しは、2026年が360億ドル(約5兆6900億円)、2030年が3500億ドル(約55兆3000億円)だ。これは各年の売上高予測で、9月末の年換算売上高とは指標が異なる。同資料では、2026年から2030年までのフリーキャッシュフローが累計2780億ドル(約43兆9000億円)のマイナスになる見通しも示された。
OpenAIは計算資源の確保に向け、クラウド事業者との大型契約も進めている。Wall Street Journalによると、Oracleから約5年間で総額3000億ドル(約47兆4000億円)相当の計算能力を購入する契約を結んだ。Oracleが2026年8月末の決算書で示した借入金などの残高は約1253億ドル(約19兆8000億円)で、AI向け設備投資の拡大と、それを支える資金調達が引き続き注目される。
元記事: Investors Built $70B OpenAI Revenue Estimate Using Wrong Method; AI Stocks Fell When FT Corrected
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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