ASUS、WiFi 8ルーター「ROG Rapture GT-BN98」を出荷開始 接続の安定性に重点

2026年10月10日 22:33

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記事提供元:Tech Times

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ASUSは2026年10月6日、WiFi 8のドラフト仕様に対応するゲーミングルーター「ROG Rapture GT-BN98」の出荷開始を発表した。WiFi 8が重視するのは、電波が弱い場所や機器が集中する環境での通信品質だ。日本では9月の東京ゲームショウ2026で参考展示されたが、国内の発売日と価格は発表されていない。

■WiFi 8が目指す接続品質

WiFi 8は、策定中のIEEE 802.11bnを指す。WiFi 7と同じ2.4GHz、5GHz、6GHz帯を使い、最大320MHzのチャネル幅と4096-QAM変調を採用する。規格の重点は理論上の最高速度を引き上げることより、距離や混雑による速度低下を抑え、遅延や通信損失を減らすことにある。

IEEEの開発目標には、WiFi 7に相当する方式と比べ、特定の信号条件でスループットを25%高める動作方式が含まれる。遅延分布の95パーセンタイル値を25%、特定条件でのデータ損失を25%減らす方式も目標だ。これらは規格策定時の目標値であり、個々の家庭やゲームで得られる改善幅を示す数値ではない。

ASUSがGT-BN98の技術として挙げる一つが、変調・符号化方式の選択肢を増やす新しいMCSレートだ。無線の状態に合わせて通信速度を細かく調整し、信号が弱まった際の急な速度低下を抑える狙いがある。

非プライマリーチャネルアクセス(NPCA)は、主となるチャネルが使われているとき、利用できる別のサブチャネルから通信する仕組みだ。不均等変調(UEQM)は、複数アンテナによる通信で、電波状態の異なる空間ストリームに別々の変調方式を適用する。いずれも、混雑や電波状態の変化に応じて通信資源を使うというWiFi 8の方向性を示している。

■GT-BN98の無線・有線仕様

GT-BN98は、2.4GHz帯、2系統の5GHz帯、6GHz帯を使うクアッドバンド構成だ。ASUSの公称最大速度は、順に1376Mbps、5764Mbps、5764Mbps、1万1529Mbpsで、4バンドの合計を最大約2万5000Mbpsとしている。この合計値は1台の端末やインターネット回線の通信速度を表すものではない。

各バンドの無線構成は4×4で、5GHz帯の最大チャネル幅は160MHz、6GHz帯は320MHzだ。本体には外付けアンテナ8本、2.6GHzのクアッドコアプロセッサ、2GBのメモリ、256MBのフラッシュメモリを備える。

有線ポートは、10GbEのWAN/LAN兼用とLAN専用が各1基、2.5GbEのWAN/LAN兼用が1基、2.5GbEのLAN専用が3基、1GbEのLAN専用が1基だ。USB 3.2 Gen 1とUSB 2.0も各1基備え、USBストレージのネットワーク共有に対応する。高速なNASやゲーム用PCを有線でつなぐ用途では、対応端末の普及を待たずにポート構成を生かせる。

■策定中の規格と対応端末

IEEEの2026年10月時点の日程では、802.11bnの最終承認は2028年5月を目標としている。GT-BN98の仕様には「802.11bn(Draft)」と記載され、ASUSは将来の標準との互換性を保証していない。規格策定は進行中で、2026年にはドラフト2.0の投票も行われた。

新しい無線機能を利用する際は、ルーター側だけでなく接続する端末側の対応も重要になる。Qualcommは2026年3月、WiFi 8対応のモバイル向け接続システム「FastConnect 8800」を発表し、搭載製品は2026年後半に登場するとの見通しを示した。2026年10月時点では、購入できる対応端末の選択肢はまだ限られる。

ASUSは、既存のWiFi 7端末と組み合わせた社内試験でも性能向上が見られたとしている。また、Tom’s Guideは上位モデルのGT-BN98 ProをWiFi 7端末で試験し、離れた場所でも高い通信速度を測定した。これらは製品の無線性能を知る手掛かりになるが、WiFi 8固有の機能による改善とは区別して読む必要がある。

■ゲーム向け機能と発売地域

GT-BN98は、通信状況と用途に応じて帯域の割り当てを調整する「Adaptive QoE」を搭載する。「WiFi Insight」ではWiFi以外の電波も含めて干渉状況を調べ、Web画面で24時間の履歴を確認し、チャネルを切り替えられる。ASUSは、ゲーム、動画配信、バックグラウンドのダウンロードが重なる環境での利用を想定している。

ゲーム向けの「GTNet」は、通信経路の遅延や混雑を調べてゲームサーバーへの経路を選ぶ外部サービスだ。ルーターのセキュリティ機能「AiProtection」は、悪意のあるサイトや感染機器の通信を遮断し、広告とトラッカーのブロックにも対応する。

ASUSは2026年5月のComputexで上位モデル「GT-BN98 Pro」を披露し、9月には同モデルのカナダでの販売を発表した。Proは6GHz帯を2系統備え、公称の合計無線速度は最大約3万Mbpsとなる。一方、GT-BN98は5GHz帯を2系統備える。TP-Linkも5月にWiFi 8ルーター「Archer 8」を発表し、10月の発売予定を示している。

ASUS JAPANは東京ゲームショウ2026でGT-BN98を特別参考展示した。2026年10月8日時点で、日本向けの発売日と価格は案内されていない。購入を検討する際は、販売地域ごとの案内と、利用する端末の対応状況を確認する必要がある。

■WiFi 7モデルと比べる視点

比較対象となるASUSのWiFi 7ルーター「ROG Rapture GT-BE98 Pro」は、2系統の6GHz帯を備え、公称の合計無線速度は最大約3万Mbpsだ。米国のASUS公式ストアでは、2026年10月時点で699.99ドル(約11万1000円、1ドル=158円換算)と表示されている。

GT-BN98の米国価格は発表されていないため、価格差を含めた比較には販売地域の情報が必要だ。有線ポートの構成、設置場所で使う周波数帯、手持ちの端末が対応する規格を確認すると、現在使える機能と今後利用できる機能を整理しやすい。

元記事: ASUS ROG Rapture GT-BN98 Begins Shipping: WiFi 8 Targets Lag, Not Faster Peak Speed

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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