Kingston、サードパーティー製DRAMモジュールで23年連続首位 シェア62%

2026年10月9日 20:16

印刷

記事提供元:Tech Times

(Valentine Tanasovich/pexels.com)

(Valentine Tanasovich/pexels.com)[写真拡大]

TrendForceの調査によると、Kingston Technologyは2025年の世界のサードパーティー製DRAMモジュール市場で、売上高首位を23年連続で維持した。市場シェアは推定62%で、前年の66%から4ポイント低下した。一方、AI向けサーバー需要の拡大などを背景にDRAMの供給は逼迫し、PC用DDR5の価格も上昇している。

■市場は59%拡大、Kingstonは23年連続首位

TrendForceによると、2025年の世界のDRAMモジュール市場の売上高は約212億ドル(約3兆3,496億円、1ドル=158円換算)で、前年比59%増だった。Kingstonの売上高は同48%増、推定約131億ドル(約2兆698億円)となった。売上高は伸びたものの、市場全体の伸び率を下回ったため、シェアは前年の66%から62%に下がった。

KingstonはDDR世代の移り変わりを通じて首位を守ってきた。今回の62%はサードパーティー製モジュールの売上高に占める割合であり、DRAMチップ市場全体のシェアではない。2位のADATAのシェアは約6%で、Kingstonとの差は大きい。

市場の上位5社はKingston、ADATA、Ramaxel、Kimtigo、Team Groupで、合計シェアは2024年の81%から2025年には77%となった。2025年の上位9社の合計は81%だった。Kingstonの首位が続く一方、売上高の伸び方には企業ごとに差が出ている。

■モジュール各社で異なった在庫と販売戦略

KingstonはDRAMチップを調達し、デスクトップPC用のDIMM、ノートPC用のSO-DIMM、サーバー用のRDIMMなどを供給する。TrendForceは、同社が2024~25年に十分な在庫を積み上げ、2025年後半の価格上昇時にも販売チャネルへ積極的に供給できたと説明している。大規模な調達力と在庫管理が、48%の増収を支えた。

ADATAの2025年のDRAM関連売上高は前年比82%増だった。TrendForceによると、以前の市況下で確保した低コストの在庫が、価格上昇局面での収益改善に寄与した。同社はDRAM供給企業との提携を通じてチップの調達枠も確保し、今後は比較的低容量のサーバー用RDIMMを拡充する方針だ。

3位のRamaxelは前年比153%増となり、ランキング掲載企業で最も高い伸び率を記録した。TrendForceは、中国国内のDRAM供給企業やクラウド事業者とのRDIMM分野での提携拡大を挙げている。4位のKimtigoは20%増、8位のApacerは96%増だった。5位のTeam Groupは、価格が上がった年後半に北米の販売チャネルへDDR5製品を供給した。

■HBMとサーバー需要が変える供給配分

AIアクセラレーターに使われる高帯域幅メモリー(HBM)は、DRAMチップを積み重ね、シリコン貫通電極(TSV)などで接続する。NVIDIAのH100やAMDのMI300XはHBMを採用している。PCで使うDDR5モジュールとは製品の構造や用途が異なるが、生産能力の配分を考えるうえでは、どちらもDRAM産業の一部だ。

TrendForceは、主要3社のDRAMウエハー投入量に占めるHBM向けの割合を、2025年末に約18%、2026年末に約22%と推計している。同社はHBMに加え、高性能なサーバー向け製品にも先端工程の能力が優先され、PC向けDRAMの供給が絞られていると分析する。北米と中国のクラウド事業者が2025年後半にサーバー用DRAMの発注を増やしたことも、PC・消費者向けの供給枠を狭めた。

モジュールメーカーが使えるチップの量や価格は、供給企業の生産配分に左右される。TrendForceによると、モジュール各社は2025年後半、製品構成でDDR5を主力としつつ、産業用や企業向けサーバー製品の拡充を進めた。Kingstonも消費者、企業、産業、データセンター向けの製品群を展開するとしている。

■DDR5価格の上昇、日本の店頭でも

米国の小売価格についてTom's Hardwareがまとめたデータでは、DDR5-4800の32GBキット(16GB×2枚)の平均価格は、2025年8月の90ドルから2026年8月には425ドル(約6万7,150円)になった。DDR5-5200の同容量キットも、同期間に100ドルから480ドル(約7万5,840円)へ上昇した。製品の速度や調査対象によって、価格と上昇幅は異なる。

ドイツの小売価格を追跡する3DCenterによると、調査対象のDDR5製品の価格指数は2025年7月を100%として、2026年8月に486%、9月に544%となった。日本ではAKIBA PC Hotline!の2026年9月後半の秋葉原店頭調査で、DDR5-4800の32GBキット(16GB×2枚)の最安値が4万9,980円だった。海外のドル建て価格を円換算した額は、日本の店頭価格を示すものではない。

TrendForceは2026年7月、サーバー用DRAMの契約価格が同年第3四半期に前四半期比13~18%上昇すると予測した。9月末には、一般的なDRAMの契約価格について、第4四半期に同10~15%上がるとの見通しを示した。後者は小売DDR5キットの価格予測ではなく、契約取引を対象とした数値だ。

■DDR5への移行と調達の見通し

DDR5の規格は2020年7月に公表された。Kingstonの技術資料によると、標準動作電圧はDDR4の1.2Vに対してDDR5では1.1Vとなり、電源管理用の回路をモジュール上に搭載する。データ幅を二つのサブチャネルに分ける構成も採用した。Kingstonは主力製品とKingston FURYの両ブランドでDDR5を扱っている。

DDR4とDDR5のモジュールには物理的な互換性がない。DDR4対応のPCからDDR5へ移行する際は、メモリーに加えて対応するCPUとマザーボードが必要になる。増設や新規購入では、価格だけでなく、使う機器の対応規格も確認する必要がある。

Micronは2025年12月、消費者向けのCrucial事業から撤退すると発表し、消費者向け販路への製品出荷は2026年2月まで続けるとした。同社は、データセンター向け需要の拡大を受け、成長分野の大口顧客への供給を強めるためと説明している。TrendForceは2027年もPC向けDRAMの供給が絞られる可能性を示しており、Kingstonを含むモジュール各社にとって、チップの確保と製品構成の判断が引き続き重要になる。

元記事: DDR5 Prices Tripled as AI Ate DRAM Supply; Kingston Still Leads at 62% for 23rd Year

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

関連キーワード