AMDの第6世代サーバーCPU「EPYC Venice」に2028年分の受注か サーバーCPU需要と供給の現状

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AMDの第6世代サーバーCPU「EPYC 9006」シリーズ、開発コード名「Venice」について、2028年分の受注が始まったとの情報が出ている。AMDは年ごとの受注枠や納期を公表していない。一方、製品の仕様は公開され、AIインフラでCPUが担う処理も増えている。
■2028年分の受注情報と公表済みの製品計画
業界情報を発信するJukan氏は2026年9月29日、Veniceについて2028年分の販売が始まっているとXに投稿した。同氏は2027年分の受注規模について、複数の業界関係者に確認したとしている。WCCFtechもこの投稿を基に、2027年分の供給枠が埋まった可能性を報じた。
AMDは2026年7月の「Advancing AI 2026」でEPYC 9006シリーズを発表し、SP7とSP8の製品仕様を公開した。AMDによると、台湾ではTSMCの2nm級プロセスを使ったVeniceの生産立ち上げが進んでいる。受注情報とは別に、製品化に向けた動きは公式発表で確認できる。
Morgan Stanleyは、Veniceの出荷台数が2026年の約125万個から2027年には675万個に増える可能性があると予測している。これは出荷予測であり、AMDが公表した受注数ではない。調達を計画する企業には、希望する構成の価格と納期を販売元に確認することが重要になる。
■エージェント型AIで増えるCPUの処理
エージェント型AIでは、モデルによる推論に加え、情報検索、外部ツールの呼び出し、コード実行、複数の処理の調整が繰り返される。GPUは主にモデルの計算を担い、CPUはツールの実行やデータの受け渡しなどを担う。この処理の分担が、AIシステムの設計でCPU性能を重視する理由の一つだ。
ジョージア工科大学とIntelの研究者らによる研究では、調べた5種類のエージェント型ワークロードのうち、ツール処理が中心の条件でCPU上の処理が全体の遅延の最大約9割を占めた。研究では、処理量を制約する要因はワークロードによってCPU側にもGPU側にも生じると報告している。
Intelは2026年第1四半期の決算説明で、顧客のAI設備におけるCPUとGPUの搭載比率が、CPU1基に対してGPU8基程度から4基程度へ変化し、用途によっては同数に近づくとの見方を示した。Armのルネ・ハースCEOも、エージェント型AIの拡大に伴うCPU需要に言及している。いずれも設備の構成や用途に左右される見通しだ。
■EPYC 9006の仕様と2nm級プロセス
AMDの製品仕様によると、SP7対応の最上位モデル「EPYC 9996」は256コア、512スレッド、1024MBのL3キャッシュを備える。メモリーは16チャネルで、対応するMRDIMMを使った場合のソケット当たり帯域幅は最大1638GB/sとなり、PCIe 6.0にも対応する。2026年10月時点で公表されている1000個単位の価格は1個1万4904ドル(約234万円、1ドル=157円換算)だ。
同じSP7対応の「EPYC 9686F」は96コア、最大ブースト周波数5.0GHzで、1000個単位の公表価格は1個1万1434ドル(約180万円)である。SP8対応の8コアモデル「EPYC 9016」は700ドル(約11万円)だ。これらはAMDの公表価格であり、個別の購入契約で適用される価格を示すものではない。
TSMCによると、Veniceに使われるN2は、ゲートが電流の通り道を囲むゲートオールアラウンド型のナノシートトランジスタを採用する。TSMCが示すN3Eとの比較値は、同じ消費電力なら速度が10~15%向上、同じ速度なら消費電力が25~30%低下、チップ密度は約15%向上というものだ。これらは製造プロセスの比較値で、完成したCPUの性能値とは区別する必要がある。
AMDは、大容量キャッシュを備える「EPYC 9006X」と、AIアクセラレーターのホスト向け「EPYC 9006 LP」も製品群に掲げている。また、後続のEPYCプロセッサ「Verano」では、LPDDR5Xを搭載するSOCAMM2メモリーモジュールへの対応を2027年に予定している。
■顧客の採用計画と日本の調達環境
AMDによると、Metaはこれまでに数百万基のEPYCを導入し、Veniceの主要顧客として同CPUを使うシステムを検証している。AMDはMicrosoft Azure向けにも、Veniceを搭載する新しい仮想マシンを発表した。両社の計画は、VeniceがAI向け設備とクラウド基盤の双方で使われることを示している。
日本では電子情報技術産業協会(JEITA)が2026年6月22日、官公庁や公的機関に向けて、CPUやメモリーなどの部品不足に伴うIT機器の価格上昇と納期の長期化について声明を出した。JEITAはサーバーなどの調達に際し、実勢価格を予定価格に反映し、余裕のある納期を設定するよう求めている。この声明はIT機器全般を対象としている。
価格の動きには地域差もある。Reutersが2026年7月に報じた関係者の話では、中国では一部のサーバーCPU製品の価格が同年初めから40%超上昇した。Veniceの公表価格や、日本での販売価格を一律に示す数字ではない。
■比較対象となるNVIDIA Veraと今後の供給
NVIDIAのArmベースのCPU「Vera」は、88コア、最大1.5TBのLPDDR5Xメモリー容量、最大1.2TB/sのメモリー帯域幅を公表している。NVIDIAは、GPUと接続するAIシステムのホストCPUとしてVeraを位置付けるとともに、CPU単独の構成も示している。VeniceとVeraを選ぶ際には、搭載するシステムと実行するソフトウェアを含めた比較が必要だ。
AMDが2026年9月に示した性能資料では、256コアのEPYC 9996のSPECrate 2026 Integer処理量は、88コアのVeraの約2.24倍とされる。別の96コアVenice構成については、AMDはVera比でコア当たり約20%高い性能を見込む。いずれもAMDによる比較で、構成と測定条件を伴う暫定的な数値だ。
TSMCはN2の量産を2025年第4四半期に開始したと公表している。AMDはVeniceを台湾で生産立ち上げ中で、将来はTSMCの米アリゾナ州の工場でも生産する計画だ。製品ごとの納期は、発注する構成と供給枠に応じて確認する必要がある。
元記事: AMD EPYC Venice Supply Exhausted for 2027 as Agentic AI Drives Server CPU Crunch
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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