NASAのローマン宇宙望遠鏡が初の星明かりを捉える 主力カメラの試験画像を公開

2026年9月22日 17:15

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記事提供元:Tech Times

(NASA’s Goddard Space Flight Center, Tyler Desjardins STScI)

(NASA’s Goddard Space Flight Center, Tyler Desjardins STScI)[写真拡大]

NASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡が、主力観測装置の広視野装置「Wide Field Instrument(WFI)」を宇宙空間で初めて起動し、星明かりを捉えた試験画像を取得した。画像には焦点の合っていない星がドーナツ状に広がって写っているが、現在の装置構成で予想されていた像であり、NASAはWFIが想定どおり動作していることを確認した。

撮影時の検出器アレイは、打ち上げ時の収納位置に置かれたままで、最適な焦点位置から大きく外れていた。今回の画像は科学観測用ではなく、望遠鏡の光学系を調整し、焦点を合わせるための基準となる。NASAは2027年初めまでに、最初の科学画像を公開する予定だ。

■300メガピクセルの赤外線カメラを初起動

WFIは18基の赤外線検出器を備え、合計約3億画素に相当する主力観測装置である。NASAのチームは検出器を比較的高い温度に保って10日間乾燥・除染した後、9月11日にヒーターを切り、装置の冷却と起動を進めた。

検出器を起動した後は、地上へ試験データを送る較正システムや、フィルター、プリズムなどを収めた素子ホイールを確認した。さらに、今後多数の画像の焦点調整に使う機構が正常に働くことも確かめた。NASAによると、一連の評価で装置が想定どおり機能していることを確認できたという。

公開された試験画像には、WFIへ初めて届いた星の光が記録されている。焦点が外れているため、一つ一つの星の光は数千画素にわたる大きなドーナツ状の像として現れた。焦点調整が進めば、それぞれの像は鮮明な点へと縮小する。

今後は精密誘導システムを起動し、望遠鏡が観測対象を正確に捉え続けられるようにする。光学系の位置合わせや較正を経て、科学観測に必要な画質へ仕上げていく。

■ハッブル並みの解像感で広い空を観測

WFIが1回の撮影で捉える空の範囲は、地上から見た満月よりも大きい。広い範囲を一度に撮影しながら、ハッブル宇宙望遠鏡のような鮮明さを実現することを目指している。

ローマン宇宙望遠鏡の視野はハッブル宇宙望遠鏡のおよそ100倍に達する。個別の天体を詳しく観測するだけでなく、銀河や恒星などを多数含む広大な領域を効率よく調査できることが特徴だ。

こうした広視野の赤外線観測により、宇宙における物質の構造と分布、宇宙膨張の歴史、太陽系外惑星などを調べる。広範囲を高い解像度で繰り返し撮影する能力は、主な研究計画以外の幅広い天文学研究にも利用される見通しだ。

ローマン宇宙望遠鏡は2026年8月30日、米フロリダ州のケネディ宇宙センターからスペースXのファルコン・ヘビーで打ち上げられた。約3カ月かけて地球から約160万km離れた太陽・地球系の第2ラグランジュ点「L2」付近へ向かいながら、機器の起動、調整、較正を進めている。

■コロナグラフも宇宙空間で動作確認

ローマン宇宙望遠鏡にはWFIのほか、太陽系外惑星を直接撮像するための先進技術を実証するコロナグラフ装置が搭載されている。恒星の強い光を光学系やマスクで抑え、その周囲を公転する惑星や星周円盤から届く微弱な光を捉えやすくする装置だ。

コロナグラフは9月1日に起動され、ソフトウェア、温度制御、可動機構、カメラ、電子機器など、各構成要素と地上との通信が確認された。NASAは初期試験で装置が正常に動作しているとしており、今後も除染や較正を続ける。

この装置は、主に木星ほどの大きさを持つ巨大惑星などの撮像を通じて、将来の宇宙望遠鏡に必要な技術を実証する役割を担う。ローマンによる太陽系外惑星研究では、WFIを使った重力マイクロレンズ法やトランジット法による探索も計画されている。

■燃料は少なくとも22年分の科学運用に対応

NASAによると、ローマン宇宙望遠鏡には少なくとも22年の科学運用に対応できる燃料が残る見込みだ。これは最初の中間軌道修正が高い精度で行われたこと、打ち上げ前に追加の燃料を搭載できたこと、今後の軌道修正とL2周回軌道への投入で燃料節約が見込まれることに基づく推計である。

当初の燃料計画は、5年間の主要ミッションと5年間の延長ミッションを合わせた計10年間を想定していた。8月31日に実施された最初の中間軌道修正は99%を超える精度で行われ、割り当てられていた約200kgに対し、使用した燃料は約18kgにとどまった。

望遠鏡の実際の打ち上げ時質量が設計上の上限より軽かったため、10年間の運用に必要な量を超えて燃料タンクを満たすこともできた。NASAは最初の軌道修正と追加燃料がそれぞれ約4年分、今後の軌道修正などによる節約がさらに約4年分の運用可能期間につながると見積もっている。

22年という数字は、燃料の残量と今後の消費見通しに基づく潜在的な科学運用期間である。実際の運用期間は、機器の状態や将来のミッション承認などにも左右される。まずはL2への到着と観測装置の調整を進め、2027年初めの科学画像公開を目指す。

元記事: NASA Roman Space Telescope Captures First Green Ring Test Image

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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