【視点】韓国勢がAI半導体基板を強化、LGイノテックは2027年量産を目指す大型FC-BGAを披露

2026年9月10日 13:10

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記事提供元:Tech Times

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韓国のLGイノテックとサムスン電機は、仁川・松島で開催中の「KPCA Show 2026」で、AIアクセラレーターやサーバー向けの次世代半導体パッケージ基板を披露した。LGイノテックは一辺が100mmを超えるAIアクセラレーター向けFC-BGAを初公開し、2027年の量産開始を目指す。サムスン電機は2.5D、2.1D、ガラス基板など5種類の技術を展示した。

■AI半導体の大型化に対応するパッケージ基板

KPCA Show 2026は9月9日から11日まで、韓国・仁川の松島コンベンシアで開催されている。韓国PCB・半導体パッケージング産業協会が主催する第23回の展示会で、韓国内外から約350社が参加した。

半導体パッケージ基板は、半導体チップとメインボードを接続し、電気信号と電力を伝える部材である。AIアクセラレーターやサーバー用CPUでは、複数の演算チップや高性能メモリーを一つのパッケージに集積するため、基板にも大面積化、多層化、微細配線、高密度なビアやバンプの形成が求められる。

FC-BGAは、半導体チップを反転させて基板へ接続するフリップチップ方式と、基板の下面に並べたはんだボールでメインボードへ接続するBGA方式を組み合わせたパッケージ基板である。基板が大型化すると、製造工程や実装工程の温度変化による反りを抑えながら、微細な回路を安定して形成する技術が重要になる。

■LGイノテック、100mm超のAI向けFC-BGAを初公開

LGイノテックは、AIアクセラレーター向けFC-BGAを初めて公開した。一辺が100mmを超える大面積基板で、GPUやNPUなどの演算チップとメモリーを一つのパッケージ内で接続するため、高密度回路と多層構造を採用している。

同社が展示した超大型FC-BGAのサンプルは、縦横85mmの大型FC-BGAと比べて面積が約40%大きい。LGイノテックは、AIの学習や推論に使う高付加価値FC-BGAについて、2027年の量産開始を目標に掲げている。

同社は、基板表面に部品を搭載する従来方式とは異なり、チップを基板内部に配置する「チップ埋め込み技術」も紹介した。チップと基板の接続距離を短くすることで、信号伝送性能を高めるとともに、電気抵抗と電力損失を抑えることを狙う。

ガラスを基板のコア層に用いるガラス基板技術も展示した。有機材料を使った従来のコアと比べて基板の反りや回路の変形を抑えやすく、大型化や微細配線への対応が期待されている。LGイノテックは2028年の量産を目標に開発を進めている。

このほか、通信向け半導体基板に用いる「Cu-Post」工法を紹介した。基板上に微細な銅柱を形成し、その上にソルダーボールを配置する方式で、同社によると、従来方式に比べてソルダーボール間の間隔を約20%の水準まで縮小できる。銅の熱伝導性を利用し、放熱特性の改善も図る。

テープ基板分野では、ディスプレー向けのCOFや2-Metal COFに加え、スマートIC基板「ECONOVA」を展示した。LGイノテックは、ECONOVAについて、パラジウムや金などの貴金属を使っためっき工程を省きながら高性能化を図った製品としている。

LGイノテックのパッケージソリューション事業は、2026年上期に9356億ウォンの売上高と996億ウォンの営業利益を計上した。前年同期比では、売上高が18%、営業利益が94%増加した。

■サムスン電機は2.5Dや2.1Dなど5種類を展示

サムスン電機は、2.5Dパッケージ基板、2.1Dパッケージ基板、ガラス基板、車載用FC-BGA、超薄型チップスケールパッケージ基板「UTCSP」の5種類を展示した。AIアクセラレーターやサーバーに加え、データセンター、モバイル機器、自動車分野まで幅広い用途を想定している。

2.5Dパッケージでは、GPUなどの演算チップと広帯域メモリーをシリコンインターポーザー上に配置し、その下にパッケージ基板を組み合わせる。サムスン電機は、大面積・多層基板の反りを抑えながら、微細回路、ビア、バンプを高密度に形成する技術を紹介した。

2.1Dパッケージ基板は、シリコンインターポーザーを使用せず、基板上の微細回路と高密度接続技術によってチップ間を接続する方式である。部材と工程を簡素化できる可能性があり、用途や要求性能に応じたパッケージ構成の選択肢となる。

ガラス基板の展示では、ガラス内部に微細な接続孔を形成して金属を充填する技術と、表面を精密に加工する技術を紹介した。ガラスは有機材料より剛性と寸法安定性に優れ、基板が大型化した場合の反りを抑えやすい。サムスン電機は、こうした特性を利用して信号伝送や電力効率の向上を目指している。

サムスン電機は2026年7月、住友化学グループの韓国子会社Dongwoo Fine-Chemと、ガラス基板の中核材料となるグラスコアを製造する合弁会社「GlaSSEM」の設立契約を締結した。総投資額は約4800億ウォンで、サムスン電機が約66%を出資する。韓国・平沢に生産拠点を設け、2027年下期の本格稼働を予定している。

UTCSPは、基板の中央にあるコアを省いたコアレス構造と微細な接続端子を採用し、基板の薄型化を図る。データセンターやモバイル機器における高密度化と省スペース化への対応を想定する。

車載用FC-BGAでは、大面積化、多層化、微細配線に加え、高温・高湿環境や繰り返される温度変化に耐える信頼性が求められる。サムスン電機は、複数のチップを搭載する構造や信頼性確保技術を紹介した。

■ガラス基板が次世代技術の焦点に

今回の展示では、両社がガラス基板を次世代パッケージ技術の一つとして前面に出した。AI半導体では、チップやメモリーの搭載数が増え、パッケージ全体が大型化する傾向にある。基板の反りを抑えながら回路を微細化することが、製造品質と電気的性能の両面で重要になる。

ガラスは、有機材料に比べて熱による寸法変化が小さく、表面の平坦性にも優れる。このため、大面積の基板上に微細な回路を形成するための材料として開発が進められている。一方、ガラスへの微細孔形成や金属充填、表面加工、搬送時の破損防止など、量産技術の確立が事業化の鍵を握る。

LGイノテックは2027年にAI向けFC-BGA、2028年にガラス基板の量産を目指している。サムスン電機も2.5D、2.1D、ガラス基板を含む技術群を展開し、2027年下期には合弁会社を通じたグラスコアの生産開始を予定する。

KPCA Show 2026で示されたのは、AI半導体の高性能化を支える基板について、大面積化、多層化、微細配線、部品の内部配置、材料の変更という複数の方向から開発が進んでいる状況である。今後は、各技術の量産時期に加え、歩留まり、コスト、顧客による認定の進展が競争を左右することになる。

元記事: LG Innotek Shows First 100mm AI Substrate; Samsung Brings Five Substrate Types to KPCA

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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