李在明大統領、サムスン・SK首脳と連続会談―800兆ウォン半導体構想と対米投資を調整

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韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領8月26日、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長と非公開で会談した。韓国メディアによると、政府が進める半導体などの「3大メガプロジェクト」や、米国への投資を含む経済・通商問題について意見を交わしたとみられる。青瓦台は非公開日程を理由に、会談の詳しい内容を明らかにしていない。
李大統領は8月20日にもSKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長と会談しており、現代自動車グループの鄭義宣(チョン・ウィソン)会長とも日程を調整していると報じられている。国内では総額800兆ウォン規模の湖南圏半導体クラスターが動き出す一方、米国は韓国メーカーに米国内の半導体生産拡大を求めている。韓国政府と企業は、国内外の投資計画を並行して進めるための調整を迫られている。
■財閥首脳との会談で投資計画を点検
李大統領と李会長の会談は、6月29日に発表された「大韓民国大飛躍3大メガプロジェクト」を受けた協議の一環とみられる。この構想では、半導体、AIデータセンター、フィジカルAIを地域産業の成長につなげる方針が掲げられた。
8月26日の会談には、サムスン電子で半導体事業を統括する幹部も同席したと報じられている。湖南圏の半導体クラスターや京畿道・龍仁の半導体産業団地、電力・用水の確保、許認可の迅速化、研究開発人材に関する制度などが議題になった可能性がある。
もっとも、青瓦台は会談の議題や合意事項を公式には公表していない。このため、国内投資の維持や米国への追加投資について具体的な決定が下されたかどうかは確認できない。現時点では、李大統領が主要企業の経営陣から投資上の課題を直接聞き、政府の支援策や通商対応を検討するための協議とみるのが妥当だ。
■光州軍空港跡地に800兆ウォン規模の半導体拠点
湖南圏半導体クラスターでは、サムスン電子とSKハイニックスがそれぞれ2基、計4基のメモリー半導体工場を整備し、合計約800兆ウォンを投じる計画だ。政府は7月、光州軍空港の約826万平方メートルの敷地をクラスターの予定地に決めた。
空港用地は広く平坦で、光州市街地やKTXの駅に近い。道路、空港、港湾への交通アクセスや研究機関との連携、人材の居住環境も選定理由に挙げられている。国有地が中心であるため、民有地の取得や補償に伴う負担を抑えやすい点も利点とされた。
政府は2029年末までに、サムスン電子とSKハイニックスの工場を少なくとも1基ずつ稼働させられる電力・用水基盤を整える方針を示している。現在計画されている4基すべてを同時に稼働できるインフラが完成する時期や、各社の投資実行時期には、なお調整が必要となる。
800兆ウォンは長期にわたる企業投資の総額であり、直ちに全額が支出されるわけではない。既存計画との関係や年度ごとの投資額も明確になっていないため、計画の進捗は工場の着工時期、電力・用水設備の整備、各社の設備投資決定を分けて見る必要がある。
■軍空港移転と米韓協議が事業日程を左右
光州軍空港は韓国空軍の施設であると同時に、緊急時に米空軍部隊が展開する米韓共同運用基地の一つでもある。構内には在韓米軍地位協定に基づき米側に供与された区域があり、基地機能の変更や米軍関連施設の移転には米韓間の協議が必要となる。
米第7空軍は、光州基地に重要な軍事上の利害があると表明し、韓国空軍との協力を続けるとしている。韓国政府も米国側との協議を開始しており、軍の即応態勢を維持しながら敷地を早期に利用する方法を検討している。ただし、施設の返還時期や代替運用の具体策は公表されていない。
国内では、軍空港の移転先として全羅南道務安郡の務安国際空港周辺が検討されている。務安郡は、光州の民間空港の先行移転、総額1兆ウォン規模の地域支援、国家産業団地の整備などを求め、候補地選定に向けた会合を一時欠席していた。
務安郡は8月28日に開かれる移転候補地選定委員会へ出席する予定となった。同日の会議では、務安郡望雲面一帯を「予備移転候補地」から「移転候補地」とするかが審議される。候補地に指定されても、支援計画の策定や住民意見の聴取、住民投票、務安郡による誘致申請などの手続きが残るため、最終的な移転先が確定するわけではない。
■米国は韓国メーカーに現地生産の拡大を要求
ハワード・ラトニック米商務長官は7月、ニューヨーク州クレイで開かれたマイクロン・テクノロジーの工場関連行事で、サムスン電子とSKハイニックスにも米国で生産施設を建設してほしいとの考えを示した。両社と米国での生産拡大について協議しているとも述べたが、対象となる製品や投資規模などの詳細は明らかにしなかった。
サムスン電子はテキサス州テイラーでファウンドリー工場の建設を進めている。ファウンドリーは主に他社が設計したロジック半導体を受託生産する事業であり、メモリー半導体の生産計画とは別に扱う必要がある。
SKハイニックスは8月27日、インディアナ州ウェストラファイエットで、40億ドル超を投じる先端パッケージング施設の起工式を開いた。同社の計画では、韓国で製造した先端ウエハーを米国へ送り、現地でHBMの積層、パッケージング、検査を行う。2028年にクリーンルームを稼働させ、2029年後半に次世代HBMの量産を始める予定だ。
この施設はHBMの米国内供給網を拡大するが、DRAMの回路をウエハー上に形成する前工程工場ではない。米国政府が今後、韓国メーカーにどの工程までの現地化を求めるかは、企業の追加投資負担や韓国内の生産戦略を左右する。
■HBM4量産を進めるサムスン
サムスン電子は2026年2月、次世代の高帯域幅メモリー「HBM4」の量産出荷を開始した。HBMは複数のDRAMを縦方向に積層し、AIアクセラレーターなどが大量のデータを高速に処理できるようにするメモリーである。
同社のHBM4は、DRAMに第6世代の10ナノメートル級プロセス、信号や電力を制御するベースダイに4ナノメートルのファウンドリー工程を採用している。サムスンによると、2026年のHBM売上高を前年比で3倍以上に伸ばすことを見込み、生産能力の拡大を進めている。
一方、約80%と報じられたHBM4の歩留まりは、サムスンが公式に開示した数値ではない。エヌビディアやAMD向けの認証状況、顧客別の供給比率も両社から詳細が公表されていないため、特定顧客への配分や市場シェアの予測は確定情報として扱えない。
韓国国内の生産計画と米国への追加投資を考えるうえでは、資金だけでなく、技術者、製造装置、電力、用水、工事能力をどの拠点へ振り向けるかも重要になる。HBM需要が拡大するなか、サムスン電子とSKハイニックスには、現在の生産拡大と長期的な海外拠点整備を並行して判断する必要がある。
■3500億ドルの対米投資枠も調整材料に
韓国国会は2026年3月、米国への総額3500億ドルの投資協力を実行するための特別法を可決した。内訳は造船関連の協力が1500億ドル、半導体、医薬品、重要鉱物、エネルギー、AI、量子技術などの戦略分野が2000億ドルである。
6月には、投資案件を運営する政府系の韓米戦略投資公社が発足した。個別案件は商業性などを審査したうえで選定される仕組みで、韓国政府は8月時点で具体的なプロジェクトは確定していないとしている。
したがって、3500億ドルの投資枠が、そのままサムスン電子やSKハイニックスによる米国のメモリー工場建設を意味するわけではない。韓国政府は米国と投資案件について協議を続けているが、対象分野、実施時期、民間企業が負担する金額は案件ごとに確認する必要がある。
李大統領と財閥首脳の相次ぐ会談は、国内の大型産業計画と対米投資枠を同時に動かすための調整という性格を持つ。湖南圏半導体クラスターでは軍空港移転、米韓協議、電力・用水の整備が進捗を左右し、米国では現地生産の対象工程や投資条件が焦点となる。両国での投資をどの順序と規模で具体化するかが、今後の交渉の中心となる。
■注目ポイントQ&A
●李大統領とサムスン電子の李会長は何を話し合ったのですか?
青瓦台は非公開日程を理由に、会談の詳しい議題や合意事項を公表していません。韓国メディアは、湖南圏や龍仁の半導体投資、インフラ整備、規制・労働制度、米国への投資要求などについて意見を交わした可能性があると報じています。
●湖南圏半導体クラスターの規模はどの程度ですか?
サムスン電子とSKハイニックスがそれぞれ2基、計4基のメモリー半導体工場を整備し、合計約800兆ウォンを投じる長期計画です。政府は光州軍空港の約826万平方メートルを予定地に選びました。
●8月28日の会議で軍空港の移転先が確定するのですか?
確定するのは「移転候補地」の段階です。候補地への指定後も、地域支援計画、住民意見の聴取、住民投票、務安郡による誘致申請などが必要であり、最終決定までには複数の手続きが残ります。
●SKハイニックスのインディアナ工場ではメモリーウエハーを製造するのですか?
計画されているのは主に先端パッケージングと検査の施設です。韓国で製造したウエハーを米国へ運び、HBMとして積層・パッケージングします。DRAMをウエハーから製造する前工程工場とは役割が異なります。
●サムスンのHBM4はエヌビディア向けに認証済みですか?
サムスンはHBM4の量産出荷を公式発表していますが、顧客名や顧客別の認証状況、供給比率は詳細に公表していません。エヌビディアなどへの具体的な配分を確定情報として示すことはできません。
元記事: Lee Jae-myung Summons Chaebol Chiefs to Anchor Korea Chip Plan Amid Washington Pressure
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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