NASAの新宇宙望遠鏡が原始ブラックホールを発見する? カリフォルニア大らの研究

2023年11月12日 09:06

印刷

ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡 (c) GSFC/SVS

ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡 (c) GSFC/SVS[写真拡大]

 ブラックホールには銀河中心にある超大質量ブラックホールや、大質量恒星の終末期に誕生する恒星ブラックホール、はたまたこれらの中間的質量をもつ中間質量ブラックホールなど、様々な規模のものが存在している。

【こちらも】宇宙初期に生まれた子宇宙が原始ブラックホールへと変貌か 東大が新理論提唱

 原始ブラックホールは、それらのどれにも属さず、宇宙誕生初期に誕生した可能性を故スティーブン・ホーキング博士らが主張している。これは、宇宙で未解明のままになっているダークマター問題の解決策にもる可能性を秘めている。

 銀河の運動は、物質以外の観測できない質量を想定しないと説明ができない。この仮想的存在をダークマターと呼び宇宙全質量の約28%を占めると想定され、物質が占める割合は5%に過ぎないとされる。

 原始ブラックホールのサイズは、既存ブラックホールと同等のものもあれば、極端な例では、原子や電子サイズで存在してもおかしくない。だが現時点では仮想上の存在であり、最初の1個を見つけ出すことが極めて重要な課題だ。

 カリフォルニア大学らの科学者は、NASAが開発中のナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡により、地球質量サイズのブラックホールの存在を確認可能だとする論文を、プレプリントサーバーarXivで公開した。

 地球質量サイズの重力マイクロレンズを個別に検出することは不可能だが、数百もの重力マイクロレンズ集団がもたらすレンズ効果の持続時間を捉え、その特徴を把握することは可能だという。

 つまり重力レンズ効果の持続時間分布を新宇宙望遠鏡で捉え、重力マイクロレンズ群の分布状況が分かれば、ダークマターの存在分布地図を描けるかもしれないという。論文では浮遊惑星の存在を捉えることも可能としており、新宇宙望遠鏡は浮遊惑星発見にも貢献しそうだ。

 もし地球質量サイズの重力マイクロレンズが発見できれば、それは既存のブラックホールとは発生メカニズムが全く異なるので、原始ブラックホールである可能性は高い。だが断言するためには、まだまだ多くの客観的な証拠集めが必要になる。原始ブラックホール第1号発見が報じられるのは、いったいいつの日になるのだろうか?(記事:cedar3・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事