NASA、未確認航空現象(UAP)の独立研究チームに参加する16名を発表

2022年10月25日 11:19

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 アメリカがひそかに宇宙人をかくまっているといった類の情報は、まことしやかに巷ではささやかれているが、おそらくこの手の情報の真偽はいつまでたっても明らかになることはないだろう。だがNASAは今、真剣に「未確認航空現象(UAP:Unidentified Aerial Phenomena)」の研究を進めようとしていることは、紛れもない事実だ。NASAは21日、この取り組みに参加するメンバー16名を公表した。

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 UAPと未確認飛行物体(UFO)の違いは、UAPがUFOだけでなく光線などの多様な「現象」も研究対象とする点にある。この活動は今秋にスタートし、9カ月の活動期間が計画されている。研究成果のレポートは、公開性、透明性、科学的な完全性に関するNASAの原則に沿って構成され、発行される予定だ。

 今回公表された16名のプロフィールを見ると、宇宙論の標準モデルを考案した科学者や、生物学的海洋学者、国防問題に関するセキュリティ技術の研究者、国際民間航空の脅威に関する研究者など多岐に渡る。

 他にも列挙だけしてみると、宇宙生物学研究の専門家、環境科学の専門家、科学ジャーナリスト、宇宙探査ミッション策定の専門家、宇宙飛行士医療の専門家、惑星研究者、元宇宙飛行士、研究天文学大学協会の会長、航空安全部門の事故調査の専門家、宇宙技術企業経営者、ボストン大学宇宙物理学センター所長、光学機器等のエンジニアだ。

 専門分野の偏りがなく、公平なUAP研究のために選ばれたことがうかがえる。

 宇宙人好きにとっては、この情報は物足りなく映るかもしれない。だが人類の科学では解明が難しい問題に対し、専門家が様々な視点で真剣に解明に取り組む、公にされたプロジェクトはこれまでになかったことを考えれば、大きな前進だ。

 UAPが地球上で起こっている未知の現象の発見や解明に繋がる可能性もあるし、自然現象では考えにくいとなれば、宇宙人の存在も否定すべきではないとの結論に至るかもしれない。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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