9月のバイト時給、高水準続く リクルート調査では過去最高を更新

2021年10月17日 07:33

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 求人サイトを運営する各社が2021年9月度のアルバイト時給動向を発表し、リクルート調査で過去最高時給を更新するなど、各社とも高い時給水準が続いていることが分かった。

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■アイデムは西日本が過去最高時給に

 7日、アイデムが9月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比15円増の1,211円。このうち関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同21円増の1,233円。

 大分類の職種では7業種中、専門・技術職(東日本の平均時給:1,631円:前年同月比:11円減、以下同じ)のみマイナス。プラスだった職種では、販売・接客サービス職(1,041円、40円増)、事務職(1,068円、41円増)、製造関連・ドライバー職(1,072円、26円増)などで大きく時給が伸びた。

 また西日本エリアの平均時給は同105円増の1,239円となり、これは集計開始以来過去最高の時給だった。このうち関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同93円増の1,244円。

 大分類の職種では7業種中、製造関連・ドライバー職(西日本の平均時給:1,001円:前年同月比:1円減、以下同じ)のみマイナス。専門・技術職(1,682円、284円増)、事務職(1,012円、29円増)、その他(1,056円、79円増)で大きく時給が伸びた。

■マイナビは5カ月連続でプラス

 13日、マイナビが9月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比24円増の1,135円となり、5カ月連続でプラス。

 職種別で時給が上がったのは家電量販店が1,155円(前年同月比:141円増、以下同じ)、携帯販売が1,493円(248円増)、テクニカルサポート・保守・テスターが1,386円(252円増)、その他クリエイティブ・編集が1,127円(109円増)、保育士が1,448円(307円増)、薬剤師・登録販売者が1,335円(189円増)、インストラクター(レジャー・アミューズメント)が1,344円(388円増)、ワゴン販売・売り子が1,357円(240円増)、製造・ラインが1,258円(107円増)など。

 反対に時給が下がったのは試験監督・採点・アドバイザーが1,206円(116円減)、ルートセールスが1,012円(155円減)、アンケート・調査・企画が1,241円(101円減)、医療専門職が1,524円(100円減)、看護師・准看護師が1,605円(106円減)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比25円増の983円、関東が同48円増の1,218円、甲信越・北陸が同69円増の1,071円、東海が同5円減の1,072円、関西が同15円増の1,126円、中国・四国が同6円増の977円、九州・沖縄が同21円増の985円で、東海のみがマイナス。

■ディップは9カ月連続でプラス

 14日、ディップが9月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比65円増の1,182円となり、9カ月連続でプラスとなった。

 職種別で時給が上がったのはテレアポ・テレオペが1,395円(前年同月比:111円増、以下同じ)、IT・クリエイティブ/クリエイターその他が1,286円(133円増)、SE・PG・エンジニア・運用が1,366円(145円増)、キャンペーン関連が1,459円(136円増)、建築・土木その他が1,412円(183円増)、製造系が1,410円(317円増)、技能系が1,435円(314円増)、工場・製造その他が1,180円(120円増)、塾講師・家庭教師が1,697円(288円増)、教師・講師・インストラクターが1,701円(257円増)など。

 反対に下がったのは営業その他が1,209円(340円減)、営業・企画営業が1,294円(160円減)、医療・介護・福祉その他が1,202円(198円減)、調査業務が1,229円(404円減)、調査・モニターその他が1,137円(144円減)、モデル・エキストラ・芸能関連が2,087円(386円減)、旅行が1,076円(104円減)など。

 地域別では関東が前年同月比57円増の1,216円、東海が同103円増の1,144円、関西が同18円増の1,232円、九州が同116円増の1,088円となり、全ての地域でプラスだった。

■リクルートは調査開始以来過去最高の時給水準

 同日、リクルートが運営するジョブズリサーチセンターが9月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比11円増の1,102円となり、過去最高だった2020年12月度の1,100円を更新した。

 職種別で時給が上がったのはチラシ・パンフレット配布が1,212円(前年同月比:73円増、以下同じ)、キャンペーンスタッフ1,336円(171円増)、メカニック(修理・整備士)が1,209円(130円増)、営業事務・営業アシスタントが1,212円(73円増)、塾講師が1,661円(318円増)など。反対に時給が下がったのはホールスタッフ(パチンコ・遊技場)が1,226円(34円減)、ドライバー(中型・大型・バス・タクシー)が1,155円(43円減)など。

 地域別では首都圏が前年同月比11円増の1,150円、東海が同13円増の1,017円、関西が同15円増の1,081円となり、3地域ともにプラスだった。

 医療、介護、コールセンタースタッフなどの職種で時給が上昇していることに加えて、10月の最低賃金改定に向けて、低時給の職種で時給が引き上げられたことが時給上昇の要因となった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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