相場展望3月11日号 外国人短期筋は3/10、先物▲4.8万枚大量の売り NYダウ史上最高値も、ナスダックは音無し

2021年3月11日 08:11

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)3/08、NYダウ+306ドル高、31,802ドル
  ・米主要3株式指数のうち、NYダウだけが上昇。1.9兆ドルの米経済対策法案が今週中に成立し、景気回復が進むとの期待から、金利上昇を好感した金融株など景気敏感株が買われ大幅上昇した。(日経新聞)
  ・一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数、SP500指数は、米長期金利上昇を嫌気して下落した。(日経新聞)

【前回は】相場展望3月8日号 米ナスダックに難敵、(1)金利高(2)巨大IT規制強化 ナスダック高値から▲9.7%安で『調整局面入り?』

 2)3/09、NYダウ+30ドル高、31,832ドル
  ・ナスダックは金利上昇一服で軒並み急騰し、上昇率は今年最大だった。(日経新聞)

 3)3/10、NYダウ+464ドル高、32,297ドル
  ・米議会下院で、1.9兆ドル(約206兆円)規模の追加経済対策法案が可決。
  ・2月消費者物価統計が予想と並んだため、過度なインフレ懸念が後退。
  ・加えて、米長期金利の騰勢が一服したため、景気敏感株を中心に買い先行となり、NYダウは史上最高値を更新した。
  ・なお、ナスダック総合指数は▲4ポイント下落した。

●2.バイデン米大統領は、1.9兆ドルの追加経済対策法案に3/12署名へ(フィスコ)

●3.米長期金利上昇は一服

 1)景気回復を見込み、3/8の米10年国債利回りは1.6%台に上昇した。

 2)しかし、米消費者物価統計が予想値に並んだため過度なインフレ懸念が後退したことで、3/10の米10年国債利回りは1.523%と低下した。

●4.米10年債の3/10の入札は注目されたが冴えず(フィスコ)

 1)米30年債の入札は翌3/11に予定されている。

●5.米2月消費者物価指数(CPI)は前月比で全体が+0.4%、コアが+0.1%上昇した(時事通信)

 1)市場予想では、全体が+0.4%上昇・エネルギーを除くコアが+0.2%上昇だったので、米労働省発表数値とほぼ並んだ。

●6.米3月のCPIは上昇を予想(フィスコ)

 1)2月は1.9兆ドルの大規模経済対策は始まっていない。経済活動の再開に伴い、今まで値引きが続いていた航空運賃などが正常化し、大規模経済対策の実施が経済に組み込まれると、3月以降のインフレの上昇は避けられない。

 2)段階的なインフレの上昇は、根深い低インフレから脱することになるので、むしろ健全で経済界では歓迎されると思われる。ただ、企業コストが上昇圧力にさらされており、加えて原油価格が高騰していることから急激なインフレ上昇となった場合は、悪いインフレとなるので、注目したい。

●7.米2月財政収支は▲3,109億ドルの赤字

 1)予想は▲3,050億ドルの赤字、前年2月は▲2,352億ドルの赤字だった。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)3/08、上海総合指数▲80安、3,421
  ・中国でも金利上昇しつつある状況で、人民元安もマイナスに働き、高PERの成長株に割高感が意識され売りが広がった。
  ・業種別では、消費関連の銘柄の下落が目立つ。(亜州リサーチ)

 2)3/09、上海総合指数▲62安、3,359
  ・中国10年債利回りも今年の高い水準で推移している。
  ・米金利上昇で、資金流出も警戒感が出てきた。
  ・割高感が意識されたハイテク関連などに売りが続いた。(亜州リサーチ)

 3)3/10、上海総合指数▲1安、3,357
  ・金利低下を受け、小高く推移したが、引けにかけマイナスに転じた。
  ・小幅ながら5日続落(亜州リサーチ)

●2.中国・2月生産者物価指数は前年比+1.7%で市場予想を上回った(フィスコ)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)3/08、日経平均▲121円安、28,743円
  ・NYダウの大幅高を受け、日経平均は一時+400円超の上昇をしたが、米長期金利が上昇したこともあり米株先物安と上海総合指数安が主導しマイナスで引けた。

 2)3/09、日経平均+284円高、29,027円
  ・朝方は一時▲100円程度の株安となったが、その後、反発した。
  ・その要因は、(1)3日連続安の反動、(2)円安進行による企業業績改善期待、(3)米株先物高、(4)米10年国債利回りの低下で、意外高となった。
  ・今日の値動きは、3/12はメジャーSQ(先物の特別清算)日を前にした、思惑買いが働いた可能性もあり得る。今週末に向けて乱高下しやすい環境といえるだろう。

 3)3/10、日経平均+8円高、29,036円
  ・米国株、特にナスダックの大幅高を受け一時+200円高となったものの、戻り待ちの売りで伸び悩んだ。

●2.外人投資家先物手口は3/10、▲4.8万枚もの記録的な売り越し

 1)売りの中心は、ゴールドマンサックス、ソシエテ、JPモルガンなど。
 2)野村、みずほ、大和が買い向かったが、相場の流れに注意したい。

●3.日本工作機械工業会3/9発表、2月工作機械受注は前年比+36.7%増の1,055億円(ロイター)

 1)前月比では+19.1%増。内需は前年比▲4.8%減の304億円、外需は+66.0%増(前月比+20.7%)増の750億円。

●4.企業動向

 1)パナソニック  米ソフトウェア大手「ブルーヨンダ―」買収へ協議 (産経新聞)
 2)パイオニア   地図情報子会社をポラリス・キャピタルに約300億円売却(ロイター)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・4716 日本オラクル   業績堅調、株価上昇に期待。
 ・6101 ツガミ      機械受注好調。
 ・6141 DGM森精機   機械受注好調。
 ・4936 アクシージア   高級化粧品で業績順調。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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