ROE重視で有利子負債が重荷に (2/2) 日本のトヨタ、ホンダ、日産は?

2020年5月1日 18:00

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 世界的にこのようなレバレッジ経営に傾注する企業は増えており、日本経済新聞によると「世界の上場企業約7500社の総資産に占める有利子負債の比率は12年以降上昇が続き、19年には32%と18年ぶりの高い水準」となっているようだ。しかし、我々はリーマンショックによって短期的視野に基づく危うい経営について学んだはずではなかったか?あれからたった10年余り。新型コロナウイルスのパンデミックによって再勉強させられる羽目になったのだ。

【前回は】ROE重視で有利子負債が重荷に(1/2) アメリカン航空、ボーイングの危機?

 さて、日本の自動車産業はどうなのだろう。ROE(2019年)について、トヨタ9.64%、ホンダ7.53%、日産5.97%。べら棒に高いということはない。しかしさらに、自己資本比率を調べて低ければ、負債額が多いということになる。

 つまりは返済額も多いということになり、平時であればそれを元手に利益を生み出すこともできるが、今回のような思いもよらない不幸に見舞われたとき、負債返済が滞り、場合によっては上場廃止になる可能性がある。ただ、トヨタの有利子負債の内訳には、金融業務の債券も含まれている。

 このような「戦時下」でなくとも、ホンダの経営陣が示す「技術は買って来ればよい」として、自社新規技術開発を抑えて開発費を削減、「アセンブラー」となって短期の利益率を追い求める経営も危険だ。長期ではビジネスモデルを推進する技術資産を失い、商品力を失うことになりかねない。

 日産は、カルロス・ゴーン元会長の経営手法からは抜け出した。しかし、サプライヤーについての考え方は、日本的系列を捨て「グローバル発注」となっている。カルロス・ゴーン元会長が就任した当時、日産がリードしているとされていたバッテリー開発については「資金がかかる」として、バッテリー専門企業から購入すればよいとして手を引いた。

 現状、日産は、NOTE e-POWERなどヒット商品を生み出しているが、EV時代に向けてバッテリーの特徴はなくなっている。これから長期的にアセンブラーとしての生き方で生き残れるのかは、ビジネスモデル構築の観点から見て、金融知識の経営陣では「考慮」すらしないであろう。世界GDPの4~6倍ともみられる、ファンドによる投資マネーの動きから考えると「ポストコロナ」で変わるとは思えない部分である。

 パンデミックの時を迎え、日本伝統のトヨタの「下請け体制」と、日産、ホンダが見せる「アセンブラー」に徹する企業体質と、どちらが生き残るのかは大変興味がある。「ポストコロナ」「アフターコロナ」では、どの様な企業体質を目指すことになるのであろうか。どちらであるべきかの考察は、別途記事にしてみたい。

 少なくとも今は、企業実績をROAで見ておこうではないか。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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