大阪都心の一等地うめきた2期再開発事業、本格的に始動へ

2020年3月26日 16:48

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うめきた2期の完成イメージ(阪急阪神ホールディングス発表資料より)

うめきた2期の完成イメージ(阪急阪神ホールディングス発表資料より)[写真拡大]

 大阪市都市計画審議会が25日、大阪市役所で開かれ、大阪市北区のJR大阪駅北側で計画されているうめきた2期再開発事業について、都市計画決定される見通しとなった。うめきた2期事業は大阪都心の梅田地区に残された約24ヘクタールの広大な土地を再開発し、ビジネスや商業、観光拠点、民間住宅などを森で囲んで整備する計画で、三菱地所を代表とする開発事業者9社は2024年の先行街開き、2027年度の全体開業を目指している。

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 うめきた2期事業は「みどりとイノベーションの融合」をテーマに進め、西日本最大級の再開発事業となる。計画場所はJR梅田貨物駅の跡地。先行開発として複合施設のグランフロント大阪が2013年に完成している。

 南と北の2街区に分けて整備を進める計画。南街区は西棟に5つ星級の高級ホテル、総貸室面積約9万平方メートルのオフィス、国際会議に使用するホール、商業施設を整備する。東棟はホテル、総貸室面積約2万平方メートルのオフィス、都市型健康増進施設、西棟と合わせて売り場面積約1万3,000平方メートルの商業施設になる。

 北街区は賃貸棟にホテル、新産業創出・産学官民交流拠点、売り場面積約3,000平方メートルの商業施設、分譲棟に約600戸の民間住宅が入る。2街区にまたがって約4万5,000平方メートルの都市公園を整備し、再開発用地に都心の森を創造する。

 梅田地区はJR大阪駅をはじめ、阪急電鉄、阪神電鉄、大阪メトロの7駅13路線が利用可能だが、JR西日本が2023年にうめきた地下駅を開業、関空特急「はるか」を停車させるほか、2031年にはなにわ筋線の開通が予定され、さらに交通アクセスが向上する。

 関西経済は東京一極集中が続く中、長く沈滞が続いていたが、大阪万博の決定やコロナショック前の訪日外国人観光客の増加など明るい材料も見えてきた。大阪府や大阪市、関西経済界はうめきた2期事業で大阪都心をスケールアップし、関西経済再浮上の起爆剤の1つにしようと意気込んでいる。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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