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ノーベル賞の賞金について調べてみた 金額や財源は

2019年10月13日 18:03

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スウェーデンの首都ストックホルムにあるノーベル博物館の扉 (c) 123rf

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 ノーベル化学賞を受賞した吉野彰旭化成名誉フェローに、心の底からお祝いを申し上げたい。化学音痴の私だから、メディアで伝えられる吉野氏のリチウムイオン電池開発で果たした理論・役割を何度読み直しても、100%は理解できない。

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 が、リチウムイオン電池の恩恵は使用するモバイル機器等で享受している。それだけに身近に感じる。また何といっても、インタビューに答える際に見せる笑顔・人柄に惹かれる。

 なに故に今回、この原稿を書こうという気になったのか。「お祝い」の気持ちが底辺にあることは事実。だが毎年の様に日本人がノーベル賞を受賞するたびに、「ノーベル賞の賞金って幾らなのか」「ノーベル財団はどんな資産運用で基金を増幅させているのか」を調べたい、書きたいと思い続けてきた。

 「下衆の勘繰り」と揶揄されるかもしれないが、吉野氏の人柄なら許してもらえるだろうと勝手に決め込み書いている。今は、台風19号が今夕にも東海・関東に記録的な風雨をもたらすとされている10月12日の早朝。住処である埼玉県にも「避難準備」の警報が発せられた直後である。停電の可能性も大。ならばその前に、と何故か急かれてパソコンに向かっている。

 ノーベル賞の賞金額は(6)分野別に、現状(2017年以降)では900万スェーデン・クローナ(SEK:約1億1300万円)。今回の化学賞受賞者は、「リチウムイオン電池開発に実績を残した吉野氏らに」と報じられている。1億3000万円は受賞者数で分割され各人に贈られる。

 ちなみにノーベル賞の賞金は非課税。メディアの記者にお願いしたい。吉野氏に「どんな風にお遣いになるご予定ですか」と。きっと、吉野氏ならではの人柄が滲み出た答えが返ってくると思う。

 周知の通りノーベル賞は、ダイナマイトの開発に代表されるスェーデンの実業家、故アルフレッド・ノーベル氏(1833年―1896年)が生みの親。その意思で遺産を財団化し運用益で実現されている。

 1901年にスタートしているが、その運用の歴史は決して平坦ではなかったようだ。2017年時点では「株式で50%(スェーデンの上場企業株10%、他海外40%)」「債券18%(北欧国債14%、他海外4%)」「オルタナティブ投資32%(農業・鉱工業・不動産や先物・スワップ等金融商品)」が運用資産内容。

 だが1940年代から1980年代初めには、当初に対し運用資産は30%まで目減りした時期がある。2012年には賞金総額は2割方減少している。マイナスパフォーマンスに陥った時期も見受けられる。

 ノーベル賞の賞金を巡るエピソードとして語り継がれている逸話には、「現代物理学の父」と評される偉人:故アルベルト・アインシュタイン氏(1879年―1955年)の「ノーベル賞を取ったら賞金を慰謝料に離婚を、と奥方に約した」がある。

 そのアインシュタイン氏がノーベル物理学賞を受賞したのは1921年。今と比べて賞金額はかなり割安だったはず。「天才/奇人」も墓の中で「苦笑い」しているかもしれない。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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