ノーベル物理学賞に欧米科学者3名 宇宙や地球の進化の理解に大きく貢献

2019年10月9日 20:37

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 スウェーデン王立科学アカデミーは8日、カナダ系米国人宇宙物理学者ジェームズ・ピーブルズ氏、スイス人天文学者ミシェル・マイヨール氏、ディディエ・ケロー氏の3名にノーベル物理学賞を授与することを発表した。3氏は現代宇宙論において地球や宇宙の進化の理解に大きく貢献したことが認められた。

■宇宙の進化を説明するビッグバン宇宙論

 米プリンストン大学教授であるピーブルズ氏の受賞理由は、「現代宇宙論における数々に理論的発見」への貢献だ。同氏は50年以上ものあいだ、ビッグバン宇宙論に関する重要なアイディアをいくつも提唱している。

 ビッグバン宇宙論によると、140億年前に起きた大爆発(ビッグバン)直後の宇宙は、高温かつ高濃度だった。それ以後、宇宙は膨張すると同時に冷却され、40万年経過してようやく光が宇宙空間を通過できる状態になった。

 ピーブルズ氏は、露物理学者ジョージ・ガモフ氏が考案した「宇宙マイクロ波背景輻射(CMB)」と呼ばれるマイクロ波の理論的解釈を行った。CMBは宇宙誕生直後に放射されたマイクロ波と解釈することで、定常宇宙論からビッグバン宇宙論が優勢となり今日に至る。

 またピーブルズ氏は、銀河などが形作られる宇宙の大規模構造の形成や、進化理論の構築にも貢献。宇宙を構成する恒星や惑星といった物質(バリオン)は全体の約5%にすぎず、残りの95%はダークマターやダークエネルギーといった見えない物質であることも判明した。

■4,000個以上も判明する太陽系外惑星

 スイス・ジュネーブ大学のマイヨール・ケロー両氏の受賞理由は「太陽に似た恒星周辺を公転する惑星の発見」というもの。両氏は1995年10月、南仏オート・プロヴァンス天文台から木星に似たガス惑星「51 Pegasi b」を天の川銀河内に発見。太陽系外では最初の惑星発見となった。

 同惑星の発見には、「ドップラー法」と呼ばれる、惑星による重力が引き起こす光の偏移(ドップラー効果)を検出する方法が用いられた。現在では惑星検出方法も進化し、天の川銀河だけでも4,000以上もの太陽系外惑星が発見されている。

 マイヨール氏は同研究成果で、稲盛財団による京都賞基礎科学部門を2015年に受賞している。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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