川崎重工、スペースデブリ除去衛星用の運用地上局を設置

2019年10月5日 11:31

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地上局のアンテナ。(画像:川崎重工業発表資料より)

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 川崎重工業は、スペースデブリ除去衛星運用のための地上局を岐阜県の同社工場に設置した。対応する宇宙ごみ除去実証衛星は、2020年に打ち上げ予定となっている。

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 スペースデブリ(宇宙ごみ)というのは、地球の衛生軌道上を周回する、特に活動を行っていない人工物体の総称である。運用を停止した人工衛星、その破片、ロケットの部品や残骸、宇宙飛行士が落とした工具などの類など、種々が含まれる。

 なおもちろん周回軌道上には天然の岩石や金属などの宇宙塵も周回しているが、それらはスペースデブリとは呼ばれない。

 1957年に世界初の人工衛星であるスプートニク1号がソ連によって打ち上げられてから、既に60余年を過ぎ、スペースデブリは量、質ともに無視することのできない脅威となっている。その総量は重量ベースで4,500トン、数でいえば直径10センチ以上のものだけで2万個を越えるといわれている。

 これらのスペースデブリは、新しい人工衛星、国際宇宙ステーションなどに衝突して深刻な危機をもたらす可能性がある。たとえば1996年に打ち上げられたスペースシャトル、「エンデバー」が回収した日本の宇宙実験室には、500カ所近くもの衝突痕が確認できたという。

 以上のようなことから、スペースデブリを除去する必要があるため、川崎重工は2011年から、宇宙ごみ除去技術の開発を進めてきた。2020年度に同社の開発による実証衛星を打ち上げ、画像センサーでスペースデブリを補足する技術、対象に実証衛星が接近する技術、実証衛星からアームを伸ばして対象を捕獲する技術などについて実証実験を行う予定である。

 また、今回設置された地上局は、衛星データ送受信用の直径3.7メートルにおよぶアンテナと、管制室からなっている。電波の方向を検出する自動追尾機能もあり、衛星を正確に捕捉する。

 川崎重工では、2025年からの宇宙ごみ除去事業開始を目指しているという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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