観測史上最も地球から離れた銀河団を発見 130億光年彼方に すばる望遠鏡など

2019年10月1日 16:10

小

中

大

印刷

今回観測された12個の原始銀河団。(c) 国立天文台/Harikane et al.

今回観測された12個の原始銀河団。(c) 国立天文台/Harikane et al.[写真拡大]

写真の拡大

 最も新しいデータによれば、私たちの宇宙の年齢は138億年とされている。国立天文台は9月27日、すばる望遠鏡、ケック望遠鏡、ジェミニ北望遠鏡による観測により、地球から130億光年離れた12個の「原始銀河団」を発見したことを発表した。これは現在観測しうる天体の中でも最も遠い宇宙にある銀河団である。

【こちらも】銀河団中心部は予想以上に"熱い"か 惑星分光観測衛星「ひさき」による観測

 すばる望遠鏡、ケック望遠鏡、ジェミニ北望遠鏡はいずれもハワイ島マウナケア山頂に建設された世界最大級の光学望遠鏡群である。ハワイ島の高地にこのような超大型望遠鏡が密集している理由は、大気の状態が観測に非常に適しているためだ。日本のような湿度が高い地域では、大気の状態が良くないため、国立天文台もわざわざこの地を選んでいるのである。

 地球から130億光年離れた銀河団が発している光は、宇宙がビッグバンによって膨張を開始してからまだ8億年しか経過していない時代のものであり、それを観測している人類は、限りなく昔の光を捉えていることになる。

 銀河団とは1000個程度の銀河の集団で、この宇宙のいたるところに存在しているが、なぜ銀河がこのような集団を構成しているのかについては、現在でも謎とされている。

 宇宙が形作られて間もないころの銀河団を観測することで、初期の宇宙ではどんなことが起き、宇宙全体に銀河団が形成されていったのか、謎を解くカギが得られるかもしれない。

 一般的には銀河団を構成する銀河は秒速800~1000kmという猛烈な速度で移動しているが、個々の銀河が引き合っていると仮定した場合、これほどの高速で移動することは考えられないため、可視光では捉えることのできない質量(ダークマター)が存在していることが示唆されている。ただし、その正体については現在でもまだよくわかっていない。

 これまでに発見されている宇宙で最も大規模な構造(超銀河団)とされているのは、ヘルクレス座・かんむり座グレートウォールで、長さが100億光年、幅が72億光年にも達すると言われている。このような大構造が形成されたのは宇宙空間と重力の性質によるものと推定されているが、厳密には形成メカニズムは解明されていない。

 地球に比較的近い銀河団は、宇宙誕生からかなり時間が経過しているため銀河同士が衝突して巨大銀河が形成されているが、今回発見された銀河団でもそのような事象が観察されるのかどうかについても興味深い。(記事:cedar3・記事一覧を見る

関連キーワード国立天文台すばる望遠鏡ダークマタービッグバンハワイ

広告

写真で見るニュース

  • ビル警備の実証実験に使われるAIロボット「ugo」(画像は大成の発表資料より)
  • 新型レヴォーグのプロトタイプ(画像: SUBARUの発表資料より)
  • アルマ望遠鏡で撮影された2つの分子雲の疑似カラー合成図。赤色と緑色がそれぞれ、速度が異なる一酸化炭素の同位体分子13COからの電波を表す。左図の青色はハッブル宇宙望遠鏡により観測された水素電離ガスの分布を示し、右図の青色は波長1.3ミリメートル帯の濃いガスに含まれる塵からの電波を示す。2領域とも、フィラメントが集合している「かなめ」(図で青色に示している部分)の位置に大質量星が存在する。(c) ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/Fukui et al./Tokuda et al./NASA-ESA Hubble Space Telescope)
  • 「シビック ハッチバック」と「シビック セダン」(画像: 本田技研工業の発表資料より)
  • 11月29日に開業するブランチ大津京(大和リース発表資料より)
  • スイフトの特別仕様車「HYBRID MGリミテッド」(画像: スズキ発表資料より)
  • 画像はイメージです。
  • Mercedes AMG A 45 S 4MATIC+edition1限定車(画像:メルセデスベンツ日本発表資料より)
 

広告

ピックアップ 注目ニュース