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駅のエスカレーター利用を階段に変える「仕掛け」に成功 阪大などの研究
実験実施時の様子。(画像:大阪大学発表資料より)[写真拡大]
駅において混雑が発生しやすい場所といえばエスカレーターである。このエスカレーターに向かう人の流れを階段に向かわせるちょっとした「仕掛け」に関する研究が、JR大阪駅で行われた。 JR西日本グループと大阪大学大学院経済学研究科「シカケラボ(仕掛学ゼミ)」の共同研究である。
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『大阪環状線総選挙』と名付けられた実験は7月30日から8月5日にかけて行われた。ちょっとした仕掛けというのは、「アフター5に行くならどっち?」という質問を書いておき、それぞれの色で階段を塗り分けて、色のついた階段を昇ることでその質問に対する回答とし、また実際に質問に対する回答数の統計を発表する、というものである。
写真を見れば分かるように、赤が「天満派」、青が「福島派」であった。ちなみに天満と福島というのはいずれも飲み屋などのスポットが集中する、大阪では馴染みのある夜の街である。
ちなみに投票の結果そのものは、福島派が5万731票に対し天満派が8万5,759票というものであった。これを調べること自体が目的で行われた研究ではないので、これがどの程度それぞれの街の人気のバロメーターになっているのかは何とも言いかねるところではあるが、本題は次である。
まず、仕掛けありの期間(7月30日~8月5日)に対して、対照群として仕掛けなしの期間を用意する(8月6日~8月12日)。仕掛けあり期間の階段利用者数は1万9,499人、エスカレーター使用者数は3万7,452人。仕掛けなし期間の階段利用者数は1万9,311人、エスカレーター使用者数は3万8,583人であった。
これを統計的に分析し、他の要因を排除するなどの操作を行ったところ、この仕掛けを行ったことによる階段利用者数の増加数は、1,342人である、と結論付けられた。
実験に使われたお題は変更することができるため、長期的には毎週入れ替えるなどして階段利用を習慣化してもらうことが期待できるという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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